著者
田村 節子 石隈 利紀
出版者
日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.51, no.3, pp.328-338, 2003-09

本研究では,不登校生徒15例に対する援助チームの実践をもとに,次のことを明らかにすることを目的とした。(1)保護者を含む援助チームの実践モデルを提案し有用性を検討する。ただし,有用性とは援助チームにより援助が促進されることを意味する(2)保護者の状況に応じた援助チームの実践例について,その形態を分類し,その特徴や実践に当たっての問題点を分析・検討する。実践の結果,援助チームは次の4タイプに分類された。タイプ1(典型例)…担任・保護者・スクールカウンセラーの3者で相互コンサルテーションを行う。タイプ2…担任・スクールカウンセラーの2者が相互コンサルテーションを行いながら,それぞれ保護者ヘコンサルテーションを行う。タイプ3…担任がスクールカウンセラーと相互コンサルテーションを行いながら,担任が保護者ヘコンサルテーションを行う。タイプ4…スクールカウンセラーが担任と相互コンサルテーションを行いながら,スクールカウンセラーが保護者ヘコンサルテーションを行い,同時にカウンセリングも行う。このように,担任・保護者・スクールカウンセラーが,核(コア)となって援助を主導し,相互コンサルテーションおよびコンサルテーションを行い,子どもへ援助する形態を"コア援助チーム"と定義し,学校教育においてチーム援助のモデルのひとつとして意義があることを示唆した。

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CiNii 論文 -  教師・保護者・スクールカウンセラーによるコア援助チームの形成と展開 : 援助者としての保護者に焦点をあてて http://t.co/ykcJ8EuApT #CiNii

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