- 著者
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横山 祐子
稲葉 智之
浅川 満彦
- 出版者
- 日本野生動物医学会
- 雑誌
- Japanese journal of zoo and wildlife medicine (ISSN:13426133)
- 巻号頁・発行日
- vol.8, no.2, pp.83-93, 2003-09
- 被引用文献数
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サル類の公衆衛生学的研究の一環として,東京都内動物商およびペットショップで死亡したサル類5科15属22種96個体について,寄生蠕虫類の調査を実施した。検査動物の属としてはLemur, Galago, Nycticebus, Perodicticus, Aotus, Saimri, Cebus, Cebuella, Callithrix, Saguinus, Leontidius, Macaca, Cercopithecus, Erythrocebus, および Miopithecusであった。その結果,45個体に何らかの寄生蠕虫類を認めた。特に,調べたリスザル12個体とタラポアン14個体すべてに蠕虫類が認められたが,いずれも愛玩動物として人気が高いので警戒が必要とされた。今回の調査では線虫13属,吸虫1属,鉤頭虫2属,すなわちPhysaloptera, Rictularia, Dipetalonema, Gongylonema, Streptopharagus, Enterobius, Lemuricola, Crenosomatidae gen., Primasubulura, Globocephalus, Strongyloides, Molineus, Trichuris, Dicrocoeliidae gen., Prosthenorchis, Nephridiacanthusが検出された。このほか舌虫類の若虫(おそらくProcephalus sp.およびArmillifer sp.)が見つかったが,条虫類は見つからなかった。ほとんどの蠕虫類が日本で初めての報告となった。