著者
伊藤 毅志 杉本 新也 古郡廷治
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告知能と複雑系(ICS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1995, no.23, pp.33-40, 1995-03-06

本稿では、マルチエージェントによる協調問題解決の例として四人将棋を挙げる。四人将棋では、状況の変化に対応して各プレーヤーの役割が変わる完全情報確定ゼロ和ゲームである。四人将棋において協調的な思考がどの様に実現されているのかについて考察した。(四人将棋には、2対2でチームを組み闘うダブルスと、全員敵同士になるシングルスの2種類があるが、本報告では、特にダブルスにおける協調問題解決行動を扱った)まず、四人将棋をコンピュータ通信上で実現するシステムの構成を説明した。そして、そのシステムを用いて、ダブルスのパートナーと対話できる条件と、対話できない条件の2条件の心理実験を行った。対話ができる条件では、指し手の方針や、読みが、対話ができない条件では、パートナーの方針、読みを予想することによって補われ、協調的な思考の基となっていることが分かった。この心理実験の知見をもとに、四人将棋におけるプレーヤーの思考過程を説明する認知モデルの骨子を提案した。本稿は、本年1月にHI研究会で報告した「四人将棋における暗黙のコミュニケーションに関する研究」の原稿をもとに加筆、修正したものである。We deal with the cooperative problem solving process in playing "four-players-SHOGI", a two-against-two (or sometimes four-way) game in which two persons on side cooperate each other to win the game. We explain firstly the organization of a four-player-SHOGI to be implemented on computer network. We analyze secondly the results of an experiment that show how the two players on the same side cooperate each other explicitly when allowed and implicitly when not allowed. Based on the analysis, we offer lastly acognitive model that explains players' mental behavior for making a move in the for-players-SHOGI. This paper is revised one basis on "Implicit Communication in Playing 'Four-Playing-SHOGI'", published in HI-58-4 (1995).

言及状況

Twitter (2 users, 2 posts, 0 favorites)

@antic_akira ちなみに、電気通信大学より 「四人将棋におけるプレーヤーの協調過程に関する研究」 という論文も出てるみたい♪ https://t.co/yc4kvLmss2 (^^;) ‥‥‥5五将棋の研究室ですね♪(狭い世界だなぁ)

収集済み URL リスト