著者
橋田 浩一 長尾 確 宮田 高志
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. 人工知能研究会報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.95, no.23, pp.133-140, 1995-03-06

コミュニケーションにおいては、メッセージの送り手も受け手も、送り手の意図した意味内容を受け手が正しく理解することを望むから、コミュニケーションは必然的に協調的な作業となる。本稿では、利己的に効用最大化を図る行為者がメッセージとその内容との間の最適な対応関係の共有を行ない、コミュニケーションの頑健性を高める様子をゲーム理論的に解析する。2個の行為者の間での1個のメッセージの送受信は、一般に、n人非協力ゲームとして定式化でき、そのゲームにおけるNash均衡解のうち両方の行為者の何らかの共同効用の期待値を最大にするものが最適な対応関係を与える。自然言語における照応現象の一部はこの理論によって一般的に説明できる。

言及状況

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ゲーム理論による以心伝心とコミュニケーションって、こういう方向性の話か? 基礎的なゲーム理論をやってるとプレイヤー間のコミュニケーションがあるかないかを前提として議論することが多いから、「ゲーム理論"による"」って表現が気になった https://t.co/EHhLZ3swnj

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