著者
井上 慧 松原 茂樹 長尾 確
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. ICS, [知能と複雑系] (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2015, no.10, pp.1-7, 2015-03-13

議事録を閲覧して議論内容を振り返ることは,今後の活動を円滑に行うための有効な手段である.研究室のゼミのような,ある研究テーマについて定期的に議論する種類の会議では,発表者は議事録を閲覧して今後の課題を確認する必要がある.そこで本稿では,今後の課題となる助言や要望 (以下,課題発言) を議事録から自動抽出し,発表者に提示する手法を提案する.提案手法では,発言の属性や言語的特徴などを利用して,発言が課題発言であるか否かを統計的に判定し,課題発言を抽出する.また,抽出結果から課題発言リストを自動生成し,発表者に提示する.発表者は,リスト上の課題発言にタグやメモを付与することにより,課題の進捗状況を管理できる.実験によって,提案する抽出手法の効果を確認した.
著者
宮川 祐輔 楊 夢龍 長尾 確
雑誌
第80回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2018, no.1, pp.263-264, 2018-03-13

VRを用いることで災害等の様々なシミュレーションが可能となる。しかし、多くのVRコンテンツは単独での体験が多く、災害時の避難に関するシミュレーション等の複数人の動きが必要なものに関してシミュレーションを行うことは困難である。本研究では、Photonを用いた位置共有をすることにより、マルチユーザでのVRシミュレーションを可能にし、Viveトラッカーを使用した膝の位置のトラッキングを行うことで、より正確な下半身の動きを表現する。また、同一プレイエリア内でのマルチユーザーシミュレーションを想定するため、RGB-D画像を使用したディープラーニングによる回帰により姿勢推定を行い、プレイエリアの拡張を行う。
著者
梶 克彦 平田 圭二 長尾 確
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.127, pp.33-38, 2004-12-12
被引用文献数
7

現在、プレイリスト(楽曲推薦リスト)の生成技術は、ユーザを楽曲配信サービスや楽曲の購入サイトに誘導することができるため音楽業界の活性化につながる有力な手段の一つと考えられている。本研究では、楽曲の類似度、ユーザ嗜好の類似度を判別するために、歌詞とアノテーションを利用し、視聴時のユーザの状況にあわせたプレイリストを生成する仕組みを提案する。またプレイリスト中の気に入った曲などをフィードバックすることにより、インタラクティブに好みのプレイリストを作成することができる。このようなプレイリスト作成のやり取りから、ユーザごとに嗜好、状況に関する特徴量を変化させ、個々のユーザの嗜好、かつそのユーザが置かれた状況に合った選曲ができるように適応していくことができる。Automatic playlist generation is one of the powerful intermediaries for music providing services. Many people can be promoted to music contents. In this paper, we propose a playlist generation scheme. Be using lyrics and annotation, musical similarity and user's similarity is found. Then it generates a plylist according to a user's preference and situation. Additionally, the user can provide a feedback such as a favorite music and whether the playlist is recommendable. The system transform the characteristic values concerning the user's preference and situation so that it adapts to each user.
著者
友部 博教 長尾 確
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第20回全国大会(2006)
巻号頁・発行日
pp.4, 2006 (Released:2006-12-07)

本研究では、実世界の会議に関するコンテンツやメタデータを取得・解析することによって、会議の構成要素間の意味関係を表すディスカッションオントロジーの構築を行う。そしてディスカッションオントロジーに基づき、会議における重要コンテンツや重要議論の発見ならびに会議参加者の行動解析・支援を行う。
著者
梶 克彦 長尾 確
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.258-273, 2007-01-15
参考文献数
35
被引用文献数
8

一般にテキスト,ビデオ,音楽などのコンテンツには複数の解釈が存在し,それらのコンテンツを対象とする場合,複数の解釈の中から適切なものを扱う必要がある.そこで我々は任意のコンテンツに対する複数の解釈を扱うためのプラットフォームとしてAnnphony を構築した.Annphony では,一般的なアノテーション記述形式であるRDF を拡張し,すべてのアノテーションに識別子を付与することでそれぞれの解釈を区別して扱うことができる.解釈が多様になりやすいコンテンツの典型例として音楽があげられる.一般に音楽は必ずしも解釈を一意に決定できず,その楽曲をとらえる人によって異なる解釈を見い出すことがしばしばみられる.そこで我々はAnnphony を基盤とし,楽曲に対する多様な解釈をWeb 上のユーザから取得する音楽アノテーションシステムを構築した.本システムは1. 書誌情報などの楽曲自体に対するアノテーション,2. 連続メディアに対するアノテーション,3. 楽譜に対するアノテーションの3 種類のエディタを備える.また実際に本システムによりアノテーションを収集し,楽曲に対する多様な解釈を扱う例として,楽曲検索システムとプレイリスト作成支援システムを構築した.Generally, there are multiple interpretations of single content such as a text, a video clip, a song, and so on. Therefore we have developed an annotation platform called "Annphony" to deal with such multiple interpretations. By extending RDF, a common annotation framework, each annotation has its own identifier that enables distinction of each interpretation. Music is one typical example that apt to cause multiple interpretations. Listeners do not necessarily make the same interpretation about the tune. Therefore, to deal with various musical interpretations we have developed a musical annotation system that consists of the following annotation editors ― 1: basic information of the tunes, 2: continuous media, and 3: musical scores. We have also developed two applications based on annotations about multiple interpretations collected by the annotation system. One is a music retrieval system based on music's inner structure. The other is a playlist recommendation system that semiautomatically generates playlists that reflect listener preferences and situations.
著者
久門 香穂 長尾 確
雑誌
第81回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2019, no.1, pp.797-798, 2019-02-28

近年、仮想現実(VR)を利用したミーティングが行われるようになってきたが、多くは単なるテレワークの延長に留まっている。現状のVRミーティングにおける表示・記録の対象は、動画や静止した3Dオブジェクトであり、VRの利点をあまり生かしていない。そこで、本研究ではVRをより効果的に活用した、ミーティングの新しい記録手法を提案する。また、VR空間で手の動きを表示し、ポインティングやジェスチャができる仕組みを実現した。提案手法によって、ユーザや3Dオブジェクトの動きが連続的に再生可能になり、任意の時刻と視点からミーティングを振り返ることができる。本研究では、VRデバイスとしてHMD(HTC Vive Pro)と、手と指の動きを計測するためのハンドトラッカー、さらに入力補助装置としてNintendo SwitchのJoyConを使用した。
著者
橋田 浩一 長尾 確 宮田 高志
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. 人工知能研究会報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.95, no.23, pp.133-140, 1995-03-06

コミュニケーションにおいては、メッセージの送り手も受け手も、送り手の意図した意味内容を受け手が正しく理解することを望むから、コミュニケーションは必然的に協調的な作業となる。本稿では、利己的に効用最大化を図る行為者がメッセージとその内容との間の最適な対応関係の共有を行ない、コミュニケーションの頑健性を高める様子をゲーム理論的に解析する。2個の行為者の間での1個のメッセージの送受信は、一般に、n人非協力ゲームとして定式化でき、そのゲームにおけるNash均衡解のうち両方の行為者の何らかの共同効用の期待値を最大にするものが最適な対応関係を与える。自然言語における照応現象の一部はこの理論によって一般的に説明できる。
著者
長尾 確
雑誌
研究報告知能システム(ICS)
巻号頁・発行日
vol.2010-ICS-161, no.5, pp.1-3, 2010-11-15

Web における高度な情報共有や知能ロボットなど、人工知能研究の成果に対する人々の期待は少なくないにも関わらず、知能の原理がどこまで解明され、どのような問題が未解決なのか、あまり明確にはなっていない。そこで、知能システムは、知能の原理に関する仮説検証の手段である、という考えをより徹底することを提案する。それによって、検証された (あるいは検証されつつある) 仮説集ができる。知能システムの実現の仕方はさまざまでも、それが前提としている原理がシンプルで、それに関する仮説が検証されていることで、知能システムの設計思想やそれが実装する知能の妥当性が説明できるだろう。本稿では、知能システムを構築する上で、今後重要になると思われる、リアル (実世界性)、ソーシャル (社会性)、マテリアル (物質性・道具性) の 3 つの観点について述べ、知能システムの展望について述べる。
著者
三浦 寛也 森 理美 長尾 確 平田 圭二
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.56, no.3, pp.942-950, 2015-03-15

ディスカッションマイニングとは,会議における活動を複数メディアで記録し,そこから再利用可能な知識を抽出するための技術である.音楽理論とは,音の時系列を構文解析する技術である.本研究の目的は,音楽理論Generative Theory of Tonal Music(GTTM)の楽曲分析アプローチに基づき,会議記録の各発言の重要度を階層的に表現する議論タイムスパン木の自動獲得である.本稿では,議論タイムスパン木の生成方式について計算機上に実装する手法を提案し,プロトタイプシステムの有効性を評価した.Discussion mining is a technology by which activities in meetings are recorded into some media, from which resusable data is extracted. Music theory is a technology that parses the chronological sequence of musical events. The aim of the research is automatic acquisition of discussion time-span tree, based on the approach to analysis music theory Generative Theory of Tonal Music (GTTM). It expresses a hierarchical importance of statements. The paper presents the method how to generate discussion time-span tree and the results of studying the prototyping system.
著者
棚瀬達央 大平茂輝 長尾確
雑誌
第75回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2013, no.1, pp.623-624, 2013-03-06

研究成果を論文執筆により社会に公表することは,研究者にとって非常に重要なタスクであり、論文執筆を始めるまでに執筆者は長期にわたる研究活動を行っている.しかし、論文執筆の経験が浅い学生の場合,論文を書き上げるハードルは非常に高い.その理由として、執筆開始までに蓄積してきた研究活動の記録の中から必要な情報を探し出し、整理することが困難であることが挙げられる.そこで本研究では,日常的な研究活動の中で閲覧・作成するデジタルコンテンツ(論文・研究に関する様々なメモ・発表資料等)に論文を執筆するために必要な情報が含まれていると仮定した.そして、論文執筆時に,それらのコンテンツの必要な部分を容易に検索・参照・引用可能な仕組みを著者に提供することにより、論文執筆に必要な情報の可視化を行い,執筆作業の効率化を実現する.
著者
三浦 寛也 長尾 確 平田 圭二
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.28, 2014

ディスカッションマイニングとは,会議における活動を複数メディアで記録し,そこから再利用可能な知識を抽出するための技術である.音楽理論とは,音の時系列を構文解析する技術である.本研究の目的は,音楽理論GTTMの手法を用いて議論を「構文解析」することである.本稿では,議論タイムスパン木の生成方式について計算機上に実装する手法を提案し,プロトタイピングシステムの有効性について検討する.
著者
栗原 一貴 望月 俊男 大浦 弘樹 椿本弥生 西森 年寿 中原 淳 山内 祐平 長尾 確
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.51, no.2, pp.391-403, 2010-02-15
被引用文献数
3

本論文では,現在一般的に行われているスライド提示型プレゼンテーション方法論について,その特徴を表す新しい定量的指標を提案する.提案指標は,「準備した順に発表資料を提示しているか」および「発表者と聴衆がどれくらい離れたところを表示しているか」を数値的に表現するものである.この指標を用いることで,プレゼンテーションの改善を図る様々な拡張手法を定量的に評価することが可能となる.さらに,提案手法を算出可能なプラットフォームシステム,Borderless Canvasを開発する.大学院講義における運用を通じて提案指標の算出と可視化例,解釈例を示し,指標の有効性と限界,適切な適用方法を議論する.In this paper we propose quantitative metrics to enable discussing the effectiveness and the limitations of extended methods of slide-based presentation methodology, which is widely used and studied today. We define metrics to estimate such as "how the presenter follows the prepared sequence of topics" and "how the presenter's behavior and every member of the audience's behavior differ." Then we develop a ZUI multi-display discussion software, Borderless Canvas, as a platform for calculating the metrics. The result of a situated datataking in a graduate school class for a semester shows an example usage of the metrics and their interpretation. Based on this, we discuss their effectiveness and limitation to apply them to evaluate extended methods of slide-based presentation methodology.
著者
山本 大介 増田 智樹 大平 茂輝 長尾 確
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.243-251, 2010 (Released:2010-01-26)
参考文献数
19

In this paper, we propose a video scene annotation method based on tag clouds. First, user comments associated with a video are collected from existing video sharing services. Next, a tag cloud is generated from these user comments. The tag cloud is displayed on the video window of the Web browser. When users click on a tag included in the tag cloud while watching the video, the tag gets associated with the time point of the video. Users can share the information on the tags that have already been clicked. We confirmed that the coverage of annotations generated by this method is higher than that of the existing methods, and users are motivated to add tags by sharing tag clouds. This method will contribute to advanced video applications.