著者
森 彰 松本 吉弘
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.36, no.10, pp.2422-2432, 1995-10-15

圏論的結合子(categorical vombinator)はラムダ計算の変数を含まない翻訳であることから、圏論的解釈を利用した関数型言語の実装に用いられている。本稿では圏の構造を随伴関手(adjointfunctor)で定義することで、圏論的結合子とその等式が圏論の基本概念から天下り的に導かれることを示す。圏論的結合子は随伴関手に付随する自然変換である単因子(unit)と余単因子(counit)として得られ、その等式は圏、関手、自然変換の定義、および随伴関手の三角可換図(triangular identity)から直接導かれる。まず最初にカルテシアン閉圏(cartesian closed category)のための圏論的結合子の導出について述べ、これを用いた自由圏の構成を示す。そして次に圏論的結合子の非外延的(non-extensional)な等武が半随伴関手(semi-adojoint functor)から導かれることを示す。最後に一般の極限対象(1imit object)や再帰的対象(recursive object)について考察し、その際に右随伴関手と左随伴関手の双対性(dua1ity)がどのように作用するかをみる。

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