- 著者
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堀 貴明
塚田 元
- 出版者
- 一般社団法人情報処理学会
- 雑誌
- 情報処理 (ISSN:04478053)
- 巻号頁・発行日
- vol.45, no.10, pp.1020-1026, 2004-10-15
- 参考文献数
- 6
- 被引用文献数
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音声認識技術の進展に伴い,数万単語以上の語彙を扱う音声認識が汎用のパーソナルコンピュータ上で動作するようになった.この背景には,これまでに培われた音声認識アルゴリズムの効率化に関する数々の研究成果がある.しかし,その一方で音声認識のアルゴリズムは複雑化し,システムの保守・拡張が困難になる傾向があった.近年,このような従来手法に代わるアプローチとして,重み付き有限状態トランスデューサ(Weighted Finite-State Transducer: WFST)による音声認識が注目を集めている.WFSTは確固たる理論に支えら,拡張性の高いシステムの構築と従来手法を凌ぐ高速な音声認識を実現する.本稿では,WFSTによる音声認識を紹介し,従来の音声認識との相違点を明らかにする.さらに,WFSTによってもたらされる音声認識の今後の展開について述べる.