著者
越智 鬼志夫 片桐 一正
出版者
日本林學會
雑誌
日本林學會誌 (ISSN:0021485X)
巻号頁・発行日
vol.56, no.11, pp.399-403, 1974
被引用文献数
2

幼齢林である高知県須崎市灰方と浦の内,和歌山県西牟婁郡串本町潮岬と老齢林である香川県高松市屋島の任意に選んだ枯損木から脱出した成虫の体の大きさ等を調査したところ,次のような結果を得た。1) 各測定値(頭幅,前ばね長,後ばね長,後たい節長,後けい節長,体重)の大きさは,平均値で幼齢林のものが小さく,老齢林のものが大きくなっているが,形状比(後たい節長/頭幅,後ばね長/後たい節長)は,ほとんど変わらない。2) 前ばね(さやばね)長は,モードでは老齢林のものが右に移行しているが,全体的にみた場合,右傾歪偏の型となっている。3) 体重は測定値の中で一番バラツキが大きかったが,老齢林のものほど重い個体が多くなっている。4) 後ばね長と乾体重の関係は,飽和型曲線となっていて,老齢林のものは体重の重い個体が多いので,幼齢林の延長線上にプロットされる個体が多くなっている。したがって,両者の比も老齢林のものが大きい。

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