著者
長嶋 洋一 片寄 晴弘 金森 務 志村 哲 井口 征士
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.47, pp.353-354, 1993-09-27

コンピュータ音楽(Computer Music)の分野では、人間の演奏者とシステムとがリアルタイムに、さらにインタラクティブに情報交換することで音楽を進行させていくために、マンマシンインターフェースの面で様々な研究が続けられている。従来の多くのシステムでは、ギターを弾きながら別にフットスイッチでトリガを与えたり、フルートのキーの下にスイッチを取り付けたり、最初からディジタル信号を発生するMIDIピアノ等の電子楽器を使うなど、伝統的な楽器の演奏にとって不自然な操作を要求したり、情報検出(質・量)的な限界などの問題点があった。しかし、多くのコンピュータ音楽作品においては、人間の演奏する自然楽器(コンピュータで実現できない微妙なニュアンスと表現力を持つ)と電子音響システムの両者を、単なる「BGMと独奏」以上の緊密な関係で積極的に採用することが求められている。本研究では、Virtual PerformerプロジェクトのVirtual Musicianの具体的な実現例として、センサフュージョンによる尺八を使った音楽作品のための演奏システムを開発した。この作品(竹管の宇宙)は、IAKTA/LIST lnternational Workshop on Knowledge Technology in the Artsのデモンストレーションコンサート(1993年9月16日・大阪)において初演された。ここでは、タッチセンサを組み込んだ特別製の尺八とともに、演奏者はジャイロセンサ・超音波センサ・赤外線画像センサ・音響センサなどに対して、音楽上の各種の演奏モーションを発信している。本稿では、このセンサフュージョン系からのモーション情報を具体的な音楽情報へと処埋する機構について報告する。

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