著者
戸谷直之 岩野成利 橋田光代 片寄晴弘
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告 エンタテインメントコンピューティング(EC) (ISSN:21862583)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.10, pp.1-8, 2011-03-19

ゲームプレイヤへの没入感の提供は,ゲームの面白さの本質的なデザイン対象である.ここで,近年急速に普及が進んでいるソーシャルゲームはプレイヤ自身の情報をゲームに取り入れやすく,没入間の演出という点で大きな可能性を持っているが,提供されているゲーム自体は単純であり,コミュニティの情報を積極的に利用しているとはいえない.今回,ゲームに今までに無い 「面白み」 と 「広がり」 を持たせることを企図し,Twitter におけるコミュニティ情報を利用したソーシャル恋愛ゲーム 『レンジできゅんっ☆してっ』 を実装・公開した.約 30000 人のユーザがゲームをプレイし,そのプレイログからユーザの広がりを確認した.
著者
藤井 叙人 片寄 晴弘
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.50, no.12, pp.2796-2806, 2009-12-15

市販テレビゲームにおいて,ゲーム内のコンピュータ(COM)の戦略に対してプレイヤの意識が高まりつつある.特に,世界的に人気のある遊☆戯☆王やポケットモンスターに代表されるビデオトレーディングカードゲーム(ビデオTCG)においては,プレイヤの要求に合わせたCOMの強さの設定が必要不可欠である.現在ではゲームプログラマによる戦略の作り込みによって実現されているが,これは非常に煩雑で時間がかかる.本研究では,強化学習法を用いて,戦略型ビデオTCGの戦略を自動学習する戦略学習機構について検討する.COMの最適行動学習だけでなく,TCG特有の要素である"最適なカード組合せ" や"魔法や罠などの特殊効果" に関しても学習機構を実装する.戦略学習機構の評価として,ルールベース戦略を相手とした計算機実験を実施する.最後に,戦略学習機構の汎用性と,残された課題,その解決策について検討する.Behavior and strategy of computers (COM) have recently attracted considerable attention with regards to video games, with the development of hardware and the spread of entertainment on the Internet. Previous studies have reported strategy-acquisition schemes for board games and fighting games. However, there have been few studies dealing with the scheme applicable for video Trading Card Games (video TCG). We present an automatic strategy-acquisition system for video TCGs. The proposed strategy-acquisition system uses a sampling technique, Action predictor, and State value function for obtaining rational strategy from many unobservable variables in a large state space. Computer simulations, where our agent played against a Rule-based agent, showed that a COM with the proposed strategy-acquisition system becomes stronger and more adaptable against an opponent's strategy.
著者
藤田 徹 北原 鉄朗 片寄 晴弘 長田 典子
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.12, pp.199-204, 2008-02-09
参考文献数
7

本論文では,アーティストの音楽的特徴を抽出し定量的に扱う手がかりとして,テトラコルド論に着目した音楽分析の結果を報告する.テトラコルド論では,完全4度の音程関係にある2音(核音)と,その中間音(補助音)から作られる音列をテトラコルドと定義し,この音列の組み合わせで様々な音階が作られるとされている.本論文では従来のテトラコルドを内側テトラコルド,補助音が核音の外側にあるテトラコルドを外側テトラコルドと新たに定義し,全48種類のテトラコルドに対してそれぞれの出現確率を調べた.この分析を久石譲,坂本龍一,葉加瀬太郎,小室哲也,西村由紀江の5アーティストと日本民謡,沖縄民謡,クラシックの3ジャンルに対して行った結果, 日本民謡や久石,坂本の楽曲に高い確率でテトラコルドが出現した.また,内側テトラコルドが多いほどメロディの予期性が高く、外側テトラコルドが多いほど意外性が高いことが分かった.さらに得られた出現確率データに主成分分析,線形判別分析による多次元空間へのマッピングを行い,それぞれのジャンルやアーティストの区別にどのようなテトラコルドが寄与しているかを示した.This paper reports the result of a music analysis focused on Tetrachord theory in order to extract and quantify the characteristics of a musician. According to tetrachord theory, a tetrachord is defined as a series of three tones where two core tones are related by a perfect fourth and a single auxiliary tone is placed between the two core tones. From these chordal combinations various types of scales are derived. In this study, however, we define the traditional structured tetrachord as an "inside-tetrachord" and a tetrachord structure where the auxiliary tone is placed outside the perfect fourth as an "outside-tetrachord." We investigated the frequency in which all 48 tetrachords occur to analyse music composed by five Japanese musicians: Joe Hisaishi, Ryuichi Sakamoto, Taro Hakase, Tetsuya Komuro, and Yukie Nishimura, and in three genres: Japanese folk song, Okinawa folk song, and classical music. We found that tetrachords appear more frequently in Hisaishi and Sakamoto's music and in Japanese folk songs. Additionally, the more predictable a melody is the more frequently inside-tetrachords appear, while the more unpredictable a melody is the more frequently outside-tetrachords appear. Furthermore, we showed which tetrachord contributes to distinguish different musicians and music genres by mapping the frequency rate obtained into a feature space using PCA and linear discriminant analysis.
著者
辰巳 直也 森勢 将雅 片寄 晴弘
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2010, no.17, pp.1-6, 2010-03-05
参考文献数
8

Vocaloid 「初音ミク」 の発売以来,歌唱合成に対する注目が高まりつつある.Vocaloid では,メロディーと歌詞を入力することにより歌声を生成できる.また,表情パラメタを調整することにより様々な表情を付与することができる.しかし,より人間らしい歌声にするには,表情パラメタの調整を細かく設定することが必要なため,非常に煩雑で時間がかかる.本研究では,あらかじめ,特定の歌唱者 (GACKT) の歌い方にみられるビブラートやポルタメントといった音量,音高等の特徴を表情パラメタとして抽出しておき,それらを Vocaloid の出力に付加することで,より,当該の歌唱者らしい歌い方を実現するような GACKT レゾネータの開発を目指す.Since the release of Vocaloid "Hatsune Miku," voice synthesizing applications have been known to the public people. Vocaloid generates vocal melodies, from the given lyrics and melodies, and provides users with the interfaces for adjusting parameters for expression control. However, setting parameters for elaborating natural expressiveness requires complicated operations. This paper introduces a vocal resonator that makes the vocal melodies more natural by copying the characteristics of a professional singer's (GACKT) singing.
著者
藤井 叙人 片寄 晴弘
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.50, no.12, pp.2796-2806, 2009-12-15

市販テレビゲームにおいて,ゲーム内のコンピュータ(COM)の戦略に対してプレイヤの意識が高まりつつある.特に,世界的に人気のある遊☆戯☆王やポケットモンスターに代表されるビデオトレーディングカードゲーム(ビデオTCG)においては,プレイヤの要求に合わせたCOMの強さの設定が必要不可欠である.現在ではゲームプログラマによる戦略の作り込みによって実現されているが,これは非常に煩雑で時間がかかる.本研究では,強化学習法を用いて,戦略型ビデオTCGの戦略を自動学習する戦略学習機構について検討する.COMの最適行動学習だけでなく,TCG特有の要素である“最適なカード組合せ” や“魔法や罠などの特殊効果” に関しても学習機構を実装する.戦略学習機構の評価として,ルールベース戦略を相手とした計算機実験を実施する.最後に,戦略学習機構の汎用性と,残された課題,その解決策について検討する.
著者
八田原 慎悟 藤井 叙人 古屋 晋一 風井浩志 片寄 晴弘
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.50, no.12, pp.2782-2795, 2009-12-15

脳活動とテレビゲームの関係に注目した関連研究の多くで,テレビゲーム実施時の前頭前野活動の低下が報告されてきた.しかし,これらはゲーム初中級者を対象としたものに限られ,熟達者の脳活動の活動様相および熟達にともなう変化については未解明の点が多い.本研究では2名の熟達者が「未熟達のゲーム」に訓練を重ねて熟達していく過程で脳活動にどのような変化が起こるのかを運動技能とあわせて検討を行った.その結果,当該熟達者の前頭前野活動は,学習初期に上昇し,学習中期には低下し,学習後期には再び上昇するというU-shapeを示した.
著者
戸谷直之 岩野成利 橋田光代 片寄晴弘
雑誌
研究報告 エンタテインメントコンピューティング(EC)
巻号頁・発行日
vol.2011-EC-19, no.10, pp.1-8, 2011-03-19

ゲームプレイヤへの没入感の提供は,ゲームの面白さの本質的なデザイン対象である.ここで,近年急速に普及が進んでいるソーシャルゲームはプレイヤ自身の情報をゲームに取り入れやすく,没入間の演出という点で大きな可能性を持っているが,提供されているゲーム自体は単純であり,コミュニティの情報を積極的に利用しているとはいえない.今回,ゲームに今までに無い 「面白み」 と 「広がり」 を持たせることを企図し,Twitter におけるコミュニティ情報を利用したソーシャル恋愛ゲーム 『レンジできゅんっ☆してっ』 を実装・公開した.約 30000 人のユーザがゲームをプレイし,そのプレイログからユーザの広がりを確認した.
著者
辰巳 直也 森勢 将雅 片寄 晴弘
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2010, no.7, pp.1-6, 2010-10-07

Vocaloid 「初音ミク」 の発売以来,歌唱合成に対する注目が高まりつつある.Vocaloid では,メロディと歌詞を入力することにより,サンプリングされた人の声を元にした歌声を合成することができる.また,表情パラメタを調整することにより,様々な表情を付与することができる.しかし,より人間らしい表情豊かな歌声にするには,表情パラメタの調整を細かく設定することが必要なため,非常に煩雑で時間がかかる.本研究では,ロック歌手の一人 「GACKT」 の歌い方に見られるビブラートやポルタメントといった音高・(音量) 等の歌唱技法を低次のモデルパラメタで近似し,混合ガウス分布を用いた手法でモデルパラメタを決定する.それらの値を Vocaloid の出力に付加することで,ロック歌手らしい歌い方を実現する 「ロックボーカルレゾネータ」 を提案する.Since the release of Vocaloid "Hatsune Miku", voice synthesizing applications have been known to the public people. Vocaloids generate human-like vocal melodies by giving lyrics and melodies. If the parameters for expression control are elaborated, Vocaloids yield more natural vocals. However, setting these parameters requires complicated expertise. This paper proposes a system called "Rock Vocal Resonator" that emphasizes Rock vocalist styles for Vocaloids, based on analysis of a Japanese Rock singer, GACKT's singing.
著者
藤澤 隆史 松井 淑恵 風井浩志 古屋 晋一 片寄 晴弘
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.50, no.8, pp.764-770, 2009-08-15

本稿では,「ヒトは音楽をどのように感じているのか」という観点から脳機能の計測方法およびその実験デザインついて解説する.まず,脳において音楽がどのように認知されているかについて,「音楽の脳機能局在」の観点からその関連部位について概観する.次に,脳機能の計測において用いられている代表的な装置とその諸特徴を紹介し,有効な計測信号を得るための実験デザインについて解説する.最後に研究例を3つ紹介し,音楽認知研究における脳機能計測の有効性を示す.これらの例が示す脳機能計測の有効性は,ユーザが楽しめる音楽インタフェースを開発する上で,音楽を聴取する脳の働きや脳機能計測法に対する正しい理解を深めることが一層重要となることを示唆している.
著者
青野 裕司 岡野真 一 片寄 晴弘
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1998, no.96, pp.21-26, 1998-10-17

本研究は,曲を構成するアクセントを定量的に考察することによって,楽曲の構造が認知スキーマに与える影響を明らかにすることを目指している.本稿では,アクセントを定量的に解析するための一手法を提案する.中高年,壮年,青年といった世代ごとに,歌いやすい歌・歌いにくい歌という分類が存在する.これはおそらく各世代が有する音楽認知スキーマの違いによると考えられるが,歌いやすい歌と歌いにくい歌の特徴的差異を,定性的に考察を行った研究では優れたものがあるものの,定量的に示した例は少ない.本手法を用い,中高年層,壮年層が歌いやすい・歌いにくいとする日本のポピュラー音楽数曲について解析を行った結果を示す.その結果から,本手法が世代別め歌いにくさを評価することができることを示す.This study aims at quantitative analyses of musical accents, and acquiring the relation between musical structures and cognitive schemes of music. In this paper, we propose a technique analyzing the accents quantitatively. Caused by differences of the cognitive schemes between the generations, each generation has its own singable and unsingable songs. Though some good studies analyzed the differences of the songs qualitatively, there are few quantitative studies. Using the technique, we analyze some Japanese popular songs which are singable or unsingable for each generation. The results of the analyses show that the technique can evaluate generational unsingableness.
著者
神田 竜 片寄 晴弘
雑誌
研究報告デジタルコンテンツクリエーション(DCC)
巻号頁・発行日
vol.2013-DCC-3, no.4, pp.1-7, 2013-01-14

近年,様々な音楽演奏現場で,インタラクティブな操作とリアルタイムレンダリングによる音楽と調和した映像演出が隆盛している.本稿ではそのような映像演出を「ジェネレティブVJ」と呼ぶ.「ジェネレティブVJ」のパフォーマンスは未だ歴史が浅く,その映像制作手法の共有化と再利用化は充分ではない.本稿では「ジェネレティブVJ」の現役制作者の映像制作手法を分析し,個別のパタンとしての記述を試みる.また,抽出したパタンの有用性を確かめる実験として,映像制作初心者にパタンを提供し,音楽と調和した映像制作を行わせる.その結果,映像制作初心者は自身の個性を発揮した上で,音楽構造に調和した映像を制作した.
著者
藤田 徹 北原 鉄朗 片寄 晴弘 長田 典子
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音声言語情報処理(SLP) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.12, pp.199-204, 2008-02-09

本論文では,アーティストの音楽的特徴を抽出し定量的に扱う手がかりとして,テトラコルド論に着目した音楽分析の結果を報告する.テトラコルド論では,完全4度の音程関係にある2音(核音)と,その中間音(補助音)から作られる音列をテトラコルドと定義し,この音列の組み合わせで様々な音階が作られるとされている.本論文では従来のテトラコルドを内側テトラコルド,補助音が核音の外側にあるテトラコルドを外側テトラコルドと新たに定義し,全48種類のテトラコルドに対してそれぞれの出現確率を調べた.この分析を久石譲,坂本龍一,葉加瀬太郎,小室哲也,西村由紀江の5アーティストと日本民謡,沖縄民謡,クラシックの3ジャンルに対して行った結果, 日本民謡や久石,坂本の楽曲に高い確率でテトラコルドが出現した.また,内側テトラコルドが多いほどメロディの予期性が高く、外側テトラコルドが多いほど意外性が高いことが分かった.さらに得られた出現確率データに主成分分析,線形判別分析による多次元空間へのマッピングを行い,それぞれのジャンルやアーティストの区別にどのようなテトラコルドが寄与しているかを示した.This paper reports the result of a music analysis focused on Tetrachord theory in order to extract and quantify the characteristics of a musician. According to tetrachord theory, a tetrachord is defined as a series of three tones where two core tones are related by a perfect fourth and a single auxiliary tone is placed between the two core tones. From these chordal combinations various types of scales are derived. In this study, however, we define the traditional structured tetrachord as an "inside-tetrachord" and a tetrachord structure where the auxiliary tone is placed outside the perfect fourth as an "outside-tetrachord." We investigated the frequency in which all 48 tetrachords occur to analyse music composed by five Japanese musicians: Joe Hisaishi, Ryuichi Sakamoto, Taro Hakase, Tetsuya Komuro, and Yukie Nishimura, and in three genres: Japanese folk song, Okinawa folk song, and classical music. We found that tetrachords appear more frequently in Hisaishi and Sakamoto's music and in Japanese folk songs. Additionally, the more predictable a melody is the more frequently inside-tetrachords appear, while the more unpredictable a melody is the more frequently outside-tetrachords appear. Furthermore, we showed which tetrachord contributes to distinguish different musicians and music genres by mapping the frequency rate obtained into a feature space using PCA and linear discriminant analysis.
著者
神野 将一 風井 浩志 片寄 晴弘
雑誌
研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC)
巻号頁・発行日
vol.2010-EC-16, no.23, pp.1-6, 2010-05-07

本研究では、複数人数プレイのテレビゲームにおいて,ゲーム上での相手プレイヤの態度の違いが対人認知 (親密度評定) ・ゲームの主観的評定 (”楽しさ”) ・大脳皮質前頭前野の活動 (NIRS による計測) に与える影響を検討した.ゲームタイトルとしてマリオブラザーズ (任天堂) を用いた.被験者には協力的な相手と妨害的な相手それぞれと対戦してもらった後,特性形容詞尺度を用いて相手プレイヤーを評価してもらった.実験の結果,協力プレイの方が妨害プレイよりも 「親密度が高くなる」 という傾向が認められた.協力条件・妨害条件において 「ゲーム楽しさ」 の間に違いは無かった.前頭前野の活動には条件による差は認められなかった.
著者
藤澤 隆史 細川 豊治 長田 典子 片寄 晴弘
出版者
日本感情心理学会
雑誌
感情心理学研究 (ISSN:18828817)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.73-82, 2010-07-31 (Released:2011-09-01)
参考文献数
29
被引用文献数
1

In this study, we investigated brain activity under social pressure using Solomon Asch's experimental paradigm. We replicated the group situation using the MORI technique and recorded the brain activity using functional near-infrared spectroscopy (fNIRS). Eight Japanese healthy males in groups of four participated in this study. The Asch experiment can be replicated without using confederates using MORI technique. The subject assessed with fNIRS was seated in a fixed position and assigned to answer third. A multichannel fNIRS system was used to measure the changes in the concentrations of oxy-hemoglobin (oxy-Hb) and deoxy-hemoglobin (deoxy-Hb). Nine optodes consisting of 12 channels were placed over the prefrontal cortex (PFC) of each hemisphere. In the behavioral data, the error rate (%) for the judgment tasks increased to 39.7% under the group pressure conditions, while it was 3.2% under the control conditions. Comparing the group pressure and control conditions in the fNIRS data, a difference in the increasing rate of oxy-Hb in the frontal pole (ch02, 05, 13 & 15) was observed. Therefore, we found that the frontal pole was activated when the subject felt social pressure under group situations.
著者
八田原 慎悟 藤井 叙人 長江 新平 風井浩志 片寄 晴弘
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.49, no.12, pp.3859-3866, 2008-12-15

脳活動とテレビゲームの関係に注目した関連研究の多くで,テレビゲーム実施時に前頭前野の脳活動が低下することが報告されてきた.テレビゲームに限らず,メディアインタラクションにおいては年齢,熟達度,さらには嗜好や没入の度合いに応じて,ヒトへの影響に違いが生じると考えるのが自然であろう.本研究ではテレビゲームにおける熟達度に焦点を当て,2つのジャンル(シューティング,リズムアクション)のゲームを実施している際のヒトの脳活動を熟達者,中級者,初心者の3種類の条件でfNIRS(機能的近赤外分光法)によって計測し,比較,検討した.その結果,熟達者においては,テレビゲーム実施時に前頭前野の脳活動が上昇するという関連研究とは異なる状況が観測された.またゲームタイトル,ジャンルを変えた場合の熟達者の脳活動を計測した結果,熟達したゲームにおける脳活動が最も上昇するという結果を得た.
著者
毛利 数馬 平野 砂峰旅 片寄 晴弘
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2019論文集
巻号頁・発行日
vol.2019, pp.410-412, 2019-09-13

ライブ演奏においてギタリストの多くがエフェクタによる音色の操作を行うが、通常用いられるペダルやノブでの操作では視覚的な演出が制限されるという課題がある。本研究ではステージでの視覚的な演出を考慮し、ジェスチャによりエフェクトの切り替えやパラメータ制御を行う機構を構成する。ライブ演奏用途においては、ミュージシャンの思考の妨げとならないUIの提供と時間的に厳格なジェスチャ認識が求められる。ジェスチャの予備動作への着目、wekinatorの利用によって、これらの課題の解決に当たる。
著者
足立 剛 片寄 晴弘
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.25, pp.49-54, 2001
参考文献数
7

リズムゲームの多くは, 予め決められたリズムパターンとユーザのボタン拍打のズレを評価対象として利用している.本研究では, 正確な動作と自由な表現の評価を合わせ持ったリズムゲームの評価モデルの開発を目的とする.具体的には, 量的な情報を入力としてキレを含めた動きそのものを評価する機構と, リズム感を保ちながらも自由な表現を評価しうるモデルを構築した上で, ビジュアルプログラミング環境PureData上で実装を行う.作成したシステムでは, リズムに同期したダンスの評価がより直接的に行うことができるようになった.
著者
片寄 晴弘 今井 正和 井口 征士
出版者
社団法人人工知能学会
雑誌
人工知能学会誌 (ISSN:09128085)
巻号頁・発行日
vol.3, no.6, pp.748-754, 1988-11-20
被引用文献数
17

The target in computer has been changing from the numerical forms to the symbolic forms, which we human-being are more familiar with. Recently A. I. is studied as the central technique of computer science. In the near future Artificial Sense is thought to be studied as what follows A. I. This paper describes "Listening to the music", as an approach to Artificial Sense. When we have an end to simulate human-like process, signal processing and knowledge processing have to be concatenated. In this paper, the process "Listening to the music" is considered from three major stages ; transcription, analyzing music and understanding music. In the stage of transcription, the notes are extracted as symbol from acoustic signal. In the stage of analyzing music, the structures as melody, rhythm, chord progression are analyzed from the extracted symbol of the notes. In the stage of understanding music, the sentiments are extracted by the rules which describe the relation between the sentiment and the structure extracted in analyzing stage. This paper presents how machine gets the sentiments listening to the music performance.