著者
吉崎 静夫
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学雑誌 (ISSN:03855236)
巻号頁・発行日
vol.10, no.3, pp.1-10, 1986-09-20
被引用文献数
3

本研究は,小学校5年・社会科の授業と中学校2年・数学科の授業を研究対象としながら,授業者(本人)の目を通して,「授業過程における教師の意思決定」を分析するとともに教師の意思決定と授業行動(主として,教授行動)との関係を明らかにすることを目的としていた.主な結果は,次のとおりであった.(1)授業者自身が「授業過程における教師の意思決定」を分析するためのカテゴリー・システムを関発した.それは,意思決定内容を第1カテゴリー(意思決定の対象)と第2カテゴリー(意思決定の確信度)の組み合わせで分類するシステムである.(2)教師の意思決定の特徴を明らかにするために,2つの指標(計画変更決定率,即時的決定率)が考案された.(3)計画変更決定率と教授行動との関係は一義的なものではなかった.両者の関係は,計画と実態とのズレの大きさなどによって,仲介されているのではないかと考察された.

言及状況

はてなブックマーク (1 users, 1 posts)

Twitter (1 users, 1 posts, 1 favorites)

収集済み URL リスト