- 著者
 
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             吉崎 静夫
             
          
 
          
          
          - 出版者
 
          - 日本教育工学会
 
          
          
          - 雑誌
 
          - 日本教育工学雑誌 (ISSN:03855236)
 
          
          
          - 巻号頁・発行日
 
          - vol.8, no.2, pp.61-70, 1983 
 
          
          
          
          - 被引用文献数
 
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             13
             
             
             
          
        
 
        
        
        本研究の主目的は,教師の経験や性別によって,授業のポイント場面での意思決定にどのような違いがあるのか検討することであった.そのさい,録画された授業のポイント場面でVTRを中断させ,そして教師に教授行動の意思決定を求めるといった「VTR中断法」が,教師の意思決定研究法として開発された.録画された授業は,中堅教師が実施した小学校6年の算数であった.主な結果は,次のとおりであった.(1)授業場面での教師の意思決定は,「もどる」,「とどまる」,「すすむ」といった三つのカテゴリーにまとめられた.(2)教職経験や題材経験の多い教師は,少ない教師よりも危険性の高い決定をしていた.(3)男性教師は,女性教師よりも危険性の高い決定をしていた.(4)経験の多い教師が授業目標に注目して意思決定していたのに対して,経験の少ない教師は児童に注目して意思決定していた.