著者
菅藤 哲 平松 正義 竹内 晃 大山 力 佐藤 信 斎藤 誠一 福崎 篤 遠藤 希之 荒井 陽一
出版者
社団法人日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科學會雜誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.95, no.1, pp.35-41, 2004-01-20
被引用文献数
1

(目的)精巣腫瘍55症例に対し高位精巣摘出術と同時に対側精巣生検を行った.その結果精巣CISと診断された症例はなかったが,そのうち2症例において後に対側精巣に精巣腫瘍を発生した.そこで我々は生検の感度に問題がなかったかどうか,そして我々の結果がスキャケベクの理論に整合性を認めるかどうかを検証した.(症例と方法)後に精巣腫瘍を発生した2症例の生検標本のパラフィンブロックを再度切り出しし,ヘマトキシリン・エオジン染色とPLAP抗体(クローン番号:8A9)を用いて免疫染色を行い,再度評価しなおした.他の53症例の標本も再度評価しなおし,その結果精巣CISが認められた症例の対側精巣の転帰を追跡調査した.(結果)後に精巣腫瘍を発生した2症例の標本うち1症例の標本において精巣CISが認められた.又,残りの53症例の内1標本において精巣CISが認められた.この症例は本人の失踪により対側精巣の転帰は確認できなかった.CISは3.6% (55症例中2症例)に確認され,2症例において偽陰性となったことが確認された.(結論)精巣CISに対する精巣生検の感度を上げるには泌尿器科医及び病理医が精巣CISについて知識を深め,スキャケベクのガイダンスに従った方法で行われるごとが重要と考えられる.

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