著者
大山 力 加藤 哲郎
出版者
日本DDS学会
雑誌
Drug Delivery System (ISSN:09135006)
巻号頁・発行日
vol.18, no.5, pp.431-437, 2003-09-10 (Released:2008-12-26)
参考文献数
22

ホルモン製剤DDSの代表的薬剤として黄体形成ホルモン放出ホルモン(LH-RH)徐放性注射剤(リュープリン®)があげられる. 本剤は, 高活性LH-RH誘導体の1カ月あるいは3カ月間徐放性薬剤で, 1回の注射で長期間にわたって薬物を放出し, 前立腺癌, 乳癌, 子宮内膜症, 子宮筋腫, 中枢性思春期早発症などのホルモン依存性疾患の治療法として臨床の場で広く用いられている. 本剤の開発から臨床応用までの経緯を当初の対象疾患であった前立腺癌を中心に紹介した.
著者
鳴海 俊治 今西 賢悟 大山 力
出版者
弘前大学大学院医学研究科・弘前医学会
雑誌
弘前医学 (ISSN:04391721)
巻号頁・発行日
vol.62, no.2-4, pp.101-106, 2011-12-26

2010年10月1 日より財団法人鷹揚郷からの寄付講座として弘前大学大学院医学研究科に先進移植再生医学講座が設立された.1997年10月16日に「臓器の移植に関する法律」が施行されて以来,青森県においても八戸市立市民病院から2 例の脳死下臓器提供があった.一方,2010年7 月17日より改正臓器移植法が施行され脳死下臓器提供者は増加しているものの,心停止下の提供者は減少しており,臓器提供全体は増加していないのが現状である.本講座の設立を機会に青森県の移植医療,特に肝移植と腎移植に関する歴史を紐解き,本邦及び青森県の移植医療の現状を報告するとともに,その発展に必要な事項や取り組みを述べる.
著者
高木 雅昭 原 亮一 佐藤 敏之 大山 力
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会論文誌B(電力・エネルギー部門誌) (ISSN:03854213)
巻号頁・発行日
vol.125, no.12, pp.1177-1186, 2005 (Released:2006-03-01)
参考文献数
15

It is very effective to enhance the robustness of control over the faults occurred in power system in order to realize stable and reliable power supply. The sliding mode control based on the Variable Structure System (VSS) theory is paid attentions as one of the promising robust control scheme. In the sliding mode control, the structure of the control system is changed across the hyper plane (switching plane) in state space so that the state variables of the system are kept on the hyper plane.This paper proposes a novel control method of generator's excitation system in which the concept of sliding mode control is employed. More specifically, the proposed method switches the reference voltage used in AVR according to the sign of switching function. This paper also discusses the systematic design procedure of the optimal hyper plane. Performance and effectiveness of the proposed control method are investigated through both numerical studies and experimental tests using the single-machine infinite-bus system simulator. Both results show that the proposed control method can damp the transient swing caused by a fault effectively.
著者
井上 高光 大山 力 羽渕 友則
出版者
日本DDS学会
雑誌
Drug Delivery System (ISSN:09135006)
巻号頁・発行日
vol.24, no.4, pp.415-420, 2009 (Released:2009-10-30)
参考文献数
25

初診時前立腺がんの約80~90%はアンドロゲン依存性の性質を示す.転移を有する前立腺がん患者に対しては,根治を目指す前立腺全摘術や放射線療法よりもホルモン療法が通常選択される.前立腺がんにおけるホルモン療法の目的は,アンドロゲン受容体へのシグナルを減少させ腫瘍を縮小させるところにある.現在本邦では,外科的去勢術(両側精巣摘除),LH-RHアゴニスト,抗アンドロゲン剤,グルココルチコイドを組み合わせてホルモン療法が行われているが,そのうち特にDDSに関わる事項として,LH-RHアゴニスト徐放製剤の開発について詳説する.この製剤は,精神的身体的負担を伴う精巣摘除術なしに去勢を可能とした.
著者
菅藤 哲 平松 正義 竹内 晃 大山 力 佐藤 信 斎藤 誠一 福崎 篤 遠藤 希之 荒井 陽一
出版者
社団法人日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科學會雜誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.95, no.1, pp.35-41, 2004-01-20
被引用文献数
1

(目的)精巣腫瘍55症例に対し高位精巣摘出術と同時に対側精巣生検を行った.その結果精巣CISと診断された症例はなかったが,そのうち2症例において後に対側精巣に精巣腫瘍を発生した.そこで我々は生検の感度に問題がなかったかどうか,そして我々の結果がスキャケベクの理論に整合性を認めるかどうかを検証した.(症例と方法)後に精巣腫瘍を発生した2症例の生検標本のパラフィンブロックを再度切り出しし,ヘマトキシリン・エオジン染色とPLAP抗体(クローン番号:8A9)を用いて免疫染色を行い,再度評価しなおした.他の53症例の標本も再度評価しなおし,その結果精巣CISが認められた症例の対側精巣の転帰を追跡調査した.(結果)後に精巣腫瘍を発生した2症例の標本うち1症例の標本において精巣CISが認められた.又,残りの53症例の内1標本において精巣CISが認められた.この症例は本人の失踪により対側精巣の転帰は確認できなかった.CISは3.6% (55症例中2症例)に確認され,2症例において偽陰性となったことが確認された.(結論)精巣CISに対する精巣生検の感度を上げるには泌尿器科医及び病理医が精巣CISについて知識を深め,スキャケベクのガイダンスに従った方法で行われるごとが重要と考えられる.