著者
中川 晴夫 山下 慎一 海法 康裕 荒井 陽一 川守田 直樹 泉 秀明
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

ニューロバイオニクスにおける血流増加作用を骨盤内臓器の血流を測定することにより動物実験においてあきらかにした。血流増加作用は刺激直後から速やかにみとめられた。骨盤内臓器において、膀胱、陰茎、前立腺のいずれにおいても血流は増加した。ニューロバイオニクスの作用機序のひとつは虚血改善作用であることが示唆される。臨床的検討においては、電ニューロバイオニクスにより大脳皮質の一次感覚野付近に反応を認め、中枢神経系に対する反応が認められ中枢神経系の関与も示唆される。
著者
鈴鴨 よしみ 寛 善行 賀本 敏行 荒井 陽一 小川 修 福原 俊一
出版者
社団法人日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科學會雜誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.93, no.6, pp.659-668, 2002-09-20
参考文献数
11
被引用文献数
7 6

(目的)前立腺癌疾患特異的QOLを測定する尺度「UCLA Prostate Cancer Index(UCLA PCI)」を翻訳し,オリジナルと等価概念を現す日本語版を作成すること(対象と方法)多段階のプロセスを経てオリジナル版の翻訳を行った.さらに,前立腺癌患者6名を対象にパイロットテストを実施し,翻訳上の問題点や実施上の問題点を抽出して改訂し,原作者の了承を得た.(結果)項目分析の結果,無回答者がいた4項目,一つのカテゴリーに片寄る1項目が抽出された.無回答であった項目はその後の質的解析により回答選択肢に問題が見つかり,改訂され解決された.回答に偏りのある項目は,対象が症状の安定した群であったためと考えられた.他の項目は性機能を含め,十分な回答率が得られた.所用回答時間は5.5分と負担のないものであった.(結論)理解しやすく負担のない,且つオリジナル版の持つ概念と等価であると認められたUCLAPCI日本語版version1.2が完成した.また,尺度開発におけるパイロットテストの有用性が示された.
著者
菅藤 哲 平松 正義 竹内 晃 大山 力 佐藤 信 斎藤 誠一 福崎 篤 遠藤 希之 荒井 陽一
出版者
社団法人日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科學會雜誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.95, no.1, pp.35-41, 2004-01-20
被引用文献数
1

(目的)精巣腫瘍55症例に対し高位精巣摘出術と同時に対側精巣生検を行った.その結果精巣CISと診断された症例はなかったが,そのうち2症例において後に対側精巣に精巣腫瘍を発生した.そこで我々は生検の感度に問題がなかったかどうか,そして我々の結果がスキャケベクの理論に整合性を認めるかどうかを検証した.(症例と方法)後に精巣腫瘍を発生した2症例の生検標本のパラフィンブロックを再度切り出しし,ヘマトキシリン・エオジン染色とPLAP抗体(クローン番号:8A9)を用いて免疫染色を行い,再度評価しなおした.他の53症例の標本も再度評価しなおし,その結果精巣CISが認められた症例の対側精巣の転帰を追跡調査した.(結果)後に精巣腫瘍を発生した2症例の標本うち1症例の標本において精巣CISが認められた.又,残りの53症例の内1標本において精巣CISが認められた.この症例は本人の失踪により対側精巣の転帰は確認できなかった.CISは3.6% (55症例中2症例)に確認され,2症例において偽陰性となったことが確認された.(結論)精巣CISに対する精巣生検の感度を上げるには泌尿器科医及び病理医が精巣CISについて知識を深め,スキャケベクのガイダンスに従った方法で行われるごとが重要と考えられる.