- 著者
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矢守 恭子
田中 良明
- 出版者
- 一般社団法人電子情報通信学会
- 雑誌
- 電子情報通信学会論文誌. B, 通信 (ISSN:13444697)
- 巻号頁・発行日
- vol.86, no.10, pp.2041-2052, 2003-10-01
- 被引用文献数
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19
近年,インターネットなどを用いたコンテンツ配信サービスが新たなビジネスとして注目されている.このようなデータ配信では,優先制御を行うことにより,データの待ち時間が異なる複数クラスを設けるサービスが考えられる.ユーザ全体の効用は,優先制御するクラス数やクラスごとの呼量の割合によって変化すると予想される.そこで,本論文では,優先制御を用いたデータ転送における待ち時間とユーザ効用の関係を,効用速度関数を用いて定量化し,優先クラスを設けた場合の各クラス呼量の割合とユーザ全体の効用最大化について検討した.そして,効用最大化のための条件をデータ転送の方式やユーザ効用の速度関数ごとに解析し,数値例より最適な回線能率を示した.その結果,単一クラスよりも複数クラスを設け優先制御を行う方が,ユーザ全体の効用が増加することが明らかとなった.また,優先制御を用いた場合,回線能率100%で効用最大とはならず,少し回線の空いているときの方が効用最大となることがわかった.