- 著者
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小野内 雅文
斉藤 康祐
藤島 実
鳳 紘一郎
- 出版者
- 一般社団法人電子情報通信学会
- 雑誌
- 電子情報通信学会技術研究報告. CPSY, コンピュータシステム
- 巻号頁・発行日
- vol.102, no.611, pp.67-72, 2003-01-22
- 被引用文献数
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問題の規模に応じて指数関数的に処理時間を要した整数問題(NP問題)を、量子力学の重ねあわせを利用した量子コンピュータは高速に解けるため、近年注目を集めている。しかし、量子現象を直接用いる量子コンピュータでは、ハードウェアを用いる周囲の環境の影響を受け、実用的な規模のアーキテクチャを構築することが困難である。そこで、量子コンピュータと同等の演算能力を持ち、実用的なアルゴリズムを実行可能なアーキテクチャを実現すべく、FPGA内部で大規模な並列演算を行う量子計算エミュレータを試作した。その結果、NP問題である充足可能性問題(SAT問題)を解くために必要な時間は、従来のコンピュータと比較し数百分の1となった。これにより、集積回路の並列性を利用し、量子コンピュータの計算能力に匹敵するプロセッサの可能性を示すことができた。