著者
小野内 雅文 斉藤康祐 藤島 実 鳳紘一郎
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告システムLSI設計技術(SLDM) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.7, pp.123-128, 2003-01-28
被引用文献数
2

問題の規模に応じて指摘関数的に処理時間を要した整数問題(NP問題)を、量子力学の重ねあわせを利用した量子コンピュータは高速に解けるため、近年の注目を集めている。しかし、量子減少を直接用いる量子コンピュータでは、ハードウェアを用いる周囲の環境の影響を受け、実用的な規模のアーキテクチャを構築することが困難である。そこで、量子コンピュータと同等の演算能力を持ち、実用的なアルゴリズムを実行可能なアーキテクチャを実現すべく、FPGA内部で大規模な並列演算を行う量子計算エミュレータを試作した。その結果、NP問題である充足可能性問題(SAT問題)を解くために必要な時間は、従来のコンピュータと比較し数百分の1となった。これにより、集積回路の並列性を利用し、量子コンピュータの計算能力に匹敵するプロセッサの可能性を示すことができた。Recently, quantum computers have attracted attention because it quickly solves the integer problem, which requires exponential processing time according to the problem scale (NP problem), utilizating quantum superposition. However, it is difficult to build the quantum computer with a practical scale directly using the quantum phenomenon since it is influenced of the circumference. Thus we have fabricated the quantum-computing emulator which performs large-scale parallel operation on an FPGA with computing capability equivalent to a quantum computer in order to solve practical quantum algorithms. The required time to solve the satisfiability problem (SAT problem), which is one of NP problems, is reduced down to 1/200 compared with the conventional computer. As a result, the possibility of the processor equal to the calculation capability of a quantum computer was shown using the parallelism of an integrated circuit.
著者
小野内 雅文 斉藤 康祐 藤島 実 鳳 紘一郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CPSY, コンピュータシステム
巻号頁・発行日
vol.102, no.611, pp.67-72, 2003-01-22
被引用文献数
1

問題の規模に応じて指数関数的に処理時間を要した整数問題(NP問題)を、量子力学の重ねあわせを利用した量子コンピュータは高速に解けるため、近年注目を集めている。しかし、量子現象を直接用いる量子コンピュータでは、ハードウェアを用いる周囲の環境の影響を受け、実用的な規模のアーキテクチャを構築することが困難である。そこで、量子コンピュータと同等の演算能力を持ち、実用的なアルゴリズムを実行可能なアーキテクチャを実現すべく、FPGA内部で大規模な並列演算を行う量子計算エミュレータを試作した。その結果、NP問題である充足可能性問題(SAT問題)を解くために必要な時間は、従来のコンピュータと比較し数百分の1となった。これにより、集積回路の並列性を利用し、量子コンピュータの計算能力に匹敵するプロセッサの可能性を示すことができた。