- 著者
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稲積 泰宏
吉田 俊之
酒井 善則
堀田 裕弘
- 出版者
- 一般社団法人電子情報通信学会
- 雑誌
- 電子情報通信学会論文誌. B, 通信 (ISSN:13444697)
- 巻号頁・発行日
- vol.85, no.7, pp.1130-1142, 2002-07-01
- 被引用文献数
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29
リアルタイム動画像通信に関するアプリケーションが普及する一方で,ユーザ数やユーザ当りの需要帯域の増大等によって帯域の確保が困難となっていることを背景として,動画像を利用可能なビットレートに再符号化して伝送するトランスコーダの必要性が高まっている.ユーザから見たサービス品質を可能な限り高く保つためには,動画像の空間・時間方向の情報をバランス良く削減する画質評価基準が必要がある.従来のトランスコーダは主に2乗誤差に基づく制御が行われているが,2乗誤差はユーザが視・知覚する動画像品質(主観評価品質)を直接に表しているとはいえない.そこで本論文では,ビデオサーバに蓄えられた動画像(原画像)を指定されたビットレートで再符号化する際に,主観評価品質を最大化するフレームレート(最適フレームレート)の推定手法を提案する.本手法は,多くの主観評価実験による平均オピニオン評点(MOS:Mean Opinion Score)を少数のパラメータを含む関数で近似し,原画像から得られる特徴量を用いて関数のパラメータを推定する.この関数に対して指定されたビットレートを与え,その最大点を求めることによって最適フレームレートを得る.提案法を用いてopen dataに対する最適フレームレートを区間推定した結果,平均誤差4frames/s程度で推定可能なことを確認している.