- 著者
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高橋 徹
武田 英明
- 出版者
- 一般社団法人電子情報通信学会
- 雑誌
- 電子情報通信学会論文誌. D-I, 情報・システム, I-情報処理 (ISSN:09151915)
- 巻号頁・発行日
- vol.84, no.8, pp.1244-1255, 2001-08-01
- 参考文献数
- 9
- 被引用文献数
-
12
本論文では, 非同期型コミュニティシステムのインタフェースとしてアニメーションエージェント(avatar-likeエージェント)を用いることの効果を述べるとともに, 我々の実装したシステムTelMeAの説明と, そのテスト運用の結果を述べる. 心理実験の結果, エージェントは単に発話者を代弁するだけではなく, 複数の発話者の識別に対して効果をもつことがわかった. そのためエージェントを用いることでコミュニティ内の人間関係等の状況を会話内容から把握しやすくなり, 会話文脈へのアウェアネスが高まるものと考えられる. 更にエージェントはアニメーションや画面上の移動により, 表情, ジェスチャー, 接近, 指差しといった非言語表現を行うことができる. TelMeAは, Webページ上に表示させた各々のエージェントに, 前記のような表現のマルチモーダルな振舞いを記述するスクリプトを交換することで, 複数人数による非同期会話を行うためのシステムである. TelMeAを9日間試験運用した結果, 全発言の中には17%の非言語表現が見られ, アンケートの結果からは, TelMeAの機能が利用者に高く評価されたことがわかった.