著者
濱崎 雅弘 武田 英明 西村 拓一
出版者
The Japanese Society for Artificial Intelligence
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.157-167, 2010
被引用文献数
11 2

The Web technology enables numerous people to collaborate in creation. We designate it as <i>massively collaborative creation via the Web</i>. As an example of massively collaborative creation, we particularly examine video development on <i>Nico Nico Douga</i>, which is a video sharing website that is popular in Japan. We specifically examine videos on <i>Hatsune Miku</i>, a version of a singing synthesizer application software that has inspired not only song creation but also songwriting, illustration, and video editing. As described herein, creators of interact to create new contents through their social network. In this paper, we analyzed the process of developing thousands of videos based on creators' social networks and investigate relationships among creation activity and social networks. The social network reveals interesting features. Creators generate large and sparse social networks including some centralized communities, and such centralized community's members shared special tags. Different categories of creators have different roles in evolving the network, e.g., songwriters gather more links than other categories, implying that they are triggers to network evolution.
著者
濱崎 雅弘 武田 英明 西村 拓一
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.157-167, 2010 (Released:2010-01-06)
参考文献数
25
被引用文献数
8 2

The Web technology enables numerous people to collaborate in creation. We designate it as massively collaborative creation via the Web. As an example of massively collaborative creation, we particularly examine video development on Nico Nico Douga, which is a video sharing website that is popular in Japan. We specifically examine videos on Hatsune Miku, a version of a singing synthesizer application software that has inspired not only song creation but also songwriting, illustration, and video editing. As described herein, creators of interact to create new contents through their social network. In this paper, we analyzed the process of developing thousands of videos based on creators' social networks and investigate relationships among creation activity and social networks. The social network reveals interesting features. Creators generate large and sparse social networks including some centralized communities, and such centralized community's members shared special tags. Different categories of creators have different roles in evolving the network, e.g., songwriters gather more links than other categories, implying that they are triggers to network evolution.
著者
武田 英明 村山 泰啓 中島 律子
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.58, no.10, pp.763-770, 2016-01-01 (Released:2016-01-01)
参考文献数
4
被引用文献数
2

科学のオープン化,研究情報流通,さらには研究情報における識別子は,近年科学全体の大きなトピックスとなっている。分野を越えて研究データをより広く流通,公開させようとするとき,データの中身がわかるようにメタデータを登録し,データに識別子(ID)を付ける必要がある。DOI登録機関であるジャパンリンクセンターは,研究データへのDOI登録を開始するにあたり,国内研究機関等の参加による実験プロジェクトを行い,参加機関はDOIのテスト登録・本登録を実施した。機関内でのシステム構築や運用フロー整備を通じて課題の抽出・共有を行い,その議論の結果を「研究データに関するDOI登録ガイドライン」として取りまとめた。プロジェクトによって形成されたコミュニティーは,今後のオープンサイエンスの取り組みに寄与することが期待される。
著者
蔵川 圭 武田 英明
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.54, no.10, pp.622-631, 2012 (Released:2012-01-01)
参考文献数
18
被引用文献数
3 1

本稿では2009年より始まった国際的な研究者識別子付与活動であるORCID(Open Researcher and Contributor ID)について解説する。ORCIDは世界中の研究者に一意の識別子を与えることで,さまざまな学術コミュニケーションを円滑にすることを目的としている。このために学術コミュニケーションに関与する出版社,大学,研究助成機関等が集まって非営利法人ORCID Inc.を設立して,活動の母体としている。現在300近い組織が参加している。ORCIDのIDは個別の研究者にとっては自己の研究業績の集約や他の研究者の業績の発見に役立つ。大学にとっては組織の業績をまとめるのに貢献する。出版社には著者や査読者の同定に貢献する。研究助成機関にとっては,応募者の同定に役立つ。ORCIDのサービスは2012年の初頭に最初の機能限定版が公開され,2012年中にはより多くの機能を含んだサービスが公開される予定である。
著者
1. 松尾 豊 2. 西田 豊明 3. 堀 浩一 4. 武田 英明 5. 長谷 敏司 6. 塩野 誠 7. 服部 宏充
雑誌
人工知能
巻号頁・発行日
vol.30, no.3, pp.358-364, 2015-05-01

訂正:p.364 長谷敏司氏の著者紹介における受賞作は正しくは「My Humanity」です.
著者
浅野 優 小出 誠二 岩山 真 加藤 文彦 小林 厳生 美馬 正司 大向 一輝 武田 英明
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
pp.LOD-27, (Released:2017-01-31)
参考文献数
19

We describe a procedure for constructing a website for publishing open data by focusing on the case of Open DATA METI, a website of the Ministry of Economy, Trade, and Industry. We developed two sites for publishing open data: a data catalog site and one for searching linked open data (LOD). The former allows users to find relevant data they want to use, and the latter allows them to utilize the found data by connecting them. To implement the data catalog site, we constructed a site tailored to the needs of the organization. Then we extracted a large amount of metadata from the individual open data and put it on the site. These activities would have taken a lot of time if we had used the existing methods, so we devised our own solutions for them. To implement the LOD searching site, we converted the data into LOD form in the Resource Description Framework (RDF). We focused on converting statistical data into tables, which are widely used. Regarding the conversion, there were several kinds of missing information that we needed to associate with the data in the tables. We created a template for incorporating the necessary information for LOD in the original table. The conversion into LOD was automatically done using the template.
著者
朱 成敏 小出 誠二 武田 英明 法隆 大輔 竹崎 あかね 吉田 智一
出版者
農業情報学会
雑誌
農業情報研究 (ISSN:09169482)
巻号頁・発行日
vol.28, no.3, pp.143-156, 2019-10-01 (Released:2019-10-01)
参考文献数
19

本研究では農業ICTシステムのデータ連携における標準語彙として農作業基本オントロジーを提案する.農作業基本オントロジーは,様々な農作業に対して記述論理に基づく定義と構造化を⾏うことで,農作業名称が持つ意味の多様性を明確に記述している.また,同義語や関連情報も収録されており,データ間の連携や統合における基準情報として活⽤することができる.これにより,異なる農業ICTシステムからのデータを連携させて分析することが可能となる.さらに,農作業同⼠の意味関係を論理的に定義することにより,農業データの意味把握と分析も容易となる.農作業基本オントロジーはLinked Open Data(LOD)形式でも公開されており,相互運⽤性と機械可読性が確保されている.農作業基本オントロジーは農作物に関する情報や国内外の農業に関連する情報体系とも連携されており,⾼度な知識処理が可能な農業分野における知識基盤としての利活⽤が期待される.最後に農作業基本オントロジーの応⽤事例として統計調査の⾃動化とオントロジーによる農作業の推論を紹介し,その有⽤性と可能性について検討する.
著者
武田 英明
出版者
東京大学
巻号頁・発行日
1991

報告番号: 甲08991 ; 学位授与年月日: 1991-03-29 ; 学位の種別: 課程博士 ; 学位の種類: 工学博士 ; 学位記番号: 博工第2642号 ; 研究科・専攻: 工学系研究科精密機械工学専攻
著者
濱崎 雅弘 武田 英明 西村 拓一
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.11, pp.1-6, 2009-05-14
参考文献数
10
被引用文献数
1

本研究では,Web を介して多くの人が集い,創発的・協調的に行われる創造活動の分析を行う.ニコニコ動画は国内でもっとも人気の動画共有サイトであるが,投稿された動画の多くに協調的な創作活動が見られる.特に初音ミクという合成音声ソフトウェアを用いた動画は,作詞作曲をする人たちだけでなく,絵を描く人やビデオ編集をする人たちなど,異なるタイプの作者が参加することで新たなコンテンツが作り出されている.本論文では,そのような異なるタイプの作者が互いに影響を受けながら新しいコンテンツを作っていく様子のネットワーク分析を用いて解析する.The Web technology enables numerous people to collaborate in creation. We designate it as massively collaborative creation via the Web. As an example of massively collaborative creation, we particularly examine video development on Nico Nico Douga, which is a video sharing website that is popular in Japan. We specifically examine videos on Hatsune Miku, a version of a singing synthesizer application software that has inspired not only song creation but also songwriting, illustration, and video editing. As described herein, creators of interact to create new contents though their social network. In this paper, we analyzed the process of developing thousands of videos based on creators' social networks.
著者
武田 英明
出版者
総務省情報通信政策研究所
雑誌
情報通信政策研究 (ISSN:24336254)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.113-129, 2021-11-30 (Released:2021-12-10)
参考文献数
41

本稿では、高度情報化社会における人のあり方として分人型社会システムを提案し、議論を行った。個人(individual)を分割不可分な一つの存在とみなすのではなく、個別の関係性によって生じる人の部分的な存在として分人(dividual)を導入し、この分人が社会を構成すると考えるのが分人型社会システムである。まず、分人という概念の出自について、文化人類学、作家平野啓一郎、心理学・社会学、哲学者ドゥルーズにおける分人のあり方を紹介する。このような分人を巡る議論の中から、本稿では、特にプラットフォーム/制度に紐づいた存在を分人と定義する。このような形で分人を定義することで、社会の活力の増大、個人の新たな幸福への機会創出、デジタル技術と融合した社会の発展が期待される。ただ、このような分人に基づいた社会、分人型社会システムの実現には多くの課題がある。これをレッシグの4つの規制の枠組みで分析した。分人で構成される分人間社会ではアーキテクチャの安定性や内部のルールと実社会の法律との関係性が課題になる。分人を前提とした実社会では、分人の社会的認知や分人の法的位置付けが課題となる。こういった課題を克服し分人型社会システムを構築することによって、人々がSociety 5.0に代表される高度な情報化社会において十二分に活躍できるようになる。
著者
井川 一樹 福原 知宏 藤井 秀樹 武田 英明
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.24, 2010

電子番組表(EPG)の普及に伴い、テレビ番組のデータを計算機上で処理できるようになった。テレビ番組のEPGと視聴履歴のデータを組み合わせることで、利用者の嗜好に応じた番組推薦が可能となる。 テレビ視聴者の選局行動については以前より研究がなされているが、本研究ではテレビ番組のEPGと視聴履歴を用いた番組推薦システムを構築し、実際の視聴者に対して番組推薦実験を行ったので、その結果を報告する。
著者
武田 英明
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.70, no.6, pp.296-302, 2020-06-01 (Released:2020-06-01)

Webは1990年前後にティム・バーナーズ=リーによって発明されて以来,単なる情報共有・情報公開ツールとして社会で使われるのではなく,社会の仕組みを変えるツールとして機能してきた。本稿ではWebと社会との関わりをWebの本質であるエンティティとその繋がりという視点から現在までの発展を見ていく。2000年前後において,DOIやWikipediaといういくつかのエンティティの繋がりの世界が生まれた。これらは内部では秩序ある繋がりを作っていた。2010年前後においては,DBpediaやWikidataなどLinked Open Data(LOD)の仕組みに基づいて,明示的にエンティティとその関係を記述する活動が生まれきた。LODによるエンティティの世界は今後のWebの基盤となることが予想される。
著者
加藤 文彦 小出 誠二 武田 英明 落合 勇太 上田 健揮
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.31, 2017

本研究は、運転手や同乗者の目的地に関する曖昧な要求に対して、オープンな常識データベースを用いて解決するシステムの構築を目的としている。このために、施設に関する常識をLinked Geo Data(LGD)、DBpedia等から施設、サービス、対象のオントロジーとして構築した。これらのオントロジーとLGDやDBpediaの事実データを組み合わせて、ユーザ要求から施設や地域を推薦する仕組みを試作した。
著者
小柴 等 相原 健郎 小田 朋宏 星 孝哲 松原 伸人 森 純一郎 武田 英明
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.51, no.8, pp.1452-1468, 2010-08-15

ICT(Information and Communication Technology)の発展・普及にともなって,情報爆発という問題が顕在化してきた1).この情報爆発と呼ばれる問題への対策の1つとして,ユーザの望む,ユーザに適した情報を提供するための情報推薦技術が研究・開発されている.しかしながら,情報爆発の勢いはとどまることを知らず,すでに推薦結果であるユーザに適した情報までが氾濫しつつある.そこで本論文では,ネット上や物理世界における行動ログデータが多数蓄積された世界を想定し,従来の推薦手法に加えて,推薦結果である情報がユーザに受け入れられる可能性(情報の受容度)まで考慮した情報推薦手法を提案し,実験により評価した.具体的には,まず,社会心理学の知見をベースに説得性と称するユーザ間の情報受容度を算出するモデルを提案した.次に,実際の商店街を舞台に一般募集の被験者を対象として,行動ログデータを収集した.そのうえで,それらの行動ログデータを用いて説得性の算出を行い,被験者による評価実験を行った.評価実験の結果は,おおむね我々の仮説を好意的に支持するものであり,本論文において提案した"説得性を考慮した情報推薦手法"が,有効に作用することが確認できた.In the "information explosion" are when we can access the increasing amount of information available in digital form from anywhere and at anytime, a filtering method is one of the most important technologies to be solved; how to identify information whether it is adequate and relevant to a user or not. Although many information recommendation systems have been proposed, existing methods could not solve the problem of "overflow" of recommendations, if they judge the information only by using similarity measures of contents. In this paper, we propose a new recommendation approach based on persuasibility among users. We focus on lifelogging both in the real world and the information world. Our recommendation model the information acceptability of information from unknown users and assume that the information of highly persuasible users tend to be accepted than ones of little persuasible users. Our persuasibility model consists of expertise, trustworthiness, likability, and similarity which is typically used in collaborative filtering methods. We carried out some experiments for evaluating our method. Firstly, we developed a specific recommendation model and an experimental recommender. Secondly, we set an experiment to collect lifelogs in a authentic situation. In this experiment, we used 52 shops in a small but very popular town in Tokyo, and about 700 consumers were involved. Finally, we set up another experiment for evaluation of our recommender using a subset of these participants. Our experimental results suggest that our proposed "persuasibility-based recommender" is more useful than general collaborative filtering.
著者
深見 嘉明 小林 巌生 嘉村 哲郎 加藤 文彦 大向 一輝 武田 英明 高橋 徹 上田 洋
雑誌
研究報告 デジタルドキュメント(DD)
巻号頁・発行日
vol.2011-DD-79, no.1, pp.1-8, 2011-01-14

Web of Data というコンセプトのもと,ウェブ上で計算機処理可能なデータを分散的に生成し,それを互いにリンクさせることにより,共有財としてのデータベース資源を確立するという試み,それが Linked Open Data である.その特質を活用し,これまで行政が単独で担ってきた情報収集,分析とそれを生かした政策実現,住民サービス実施を分担するという試みが始まっている.本論文では,住民コミュニティと行政の連携を通じたボトムアップ型オープンガバメントの試みについて紹介し,ウェブ標準技術が共有財の創出と受益者の拡大にどのように貢献できるかについて検討する.