著者
田中 穂積
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.77, no.10, pp.1035-1042, 1994-10-25
被引用文献数
1

プログラム言語のコンパイラで,LR法とよばれる構文解析法がよく使われている.これは,(1)LR法は決定的に解析を進めることができるので高速な構文解析が可能であること,(2)プログラム言語の文法を設計段階でLR文法に限ることができることによる.しかし,自然言語の文法としてLR文法の記述力は十分であるとはいえず,少なくとも文脈自由文法(CFG)の記述力が必要である.一般のCFGを扱うことができるようLR法を拡張したものに一般化LR(GLR)法があり,最近自然言語の高速な構文解析法として注目されている.まず1.では,GLR法の基本的な考え方を説明する.2.ではGLR法の原理を具体例を用いて説明する.3.では,解析結果の妥当性を確率的に計算する確率CFGとGLR法との関連を簡単に説明する.最後の4.では,GLR法に関するいくつかの問題を取り上げて将来の研究課題を展望する.

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[LR][一般化LR][GLR]

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