- 著者
-
伊藤 真
三宅 章吾
猪苗代 盛
黒岩 丈介
沢田 康次
- 出版者
- 一般社団法人電子情報通信学会
- 雑誌
- 電子情報通信学会技術研究報告. NC, ニューロコンピューティング (ISSN:09135685)
- 巻号頁・発行日
- vol.100, no.126, pp.25-32, 2000-06-15
- 被引用文献数
-
1
エピソード記憶は一時的に海馬に蓄えられ, その後、新皮質上に長期的に固定されると考えられている.エピソード記憶は脳内において時系列パターンとして表現されている可能性があるが, 時系列パターンとしてのエピソード記憶の長期記憶形成を説明するモデルは提案されていない.本稿において解剖学生理学的知見に基づいた, 海馬連合野モデルを提案する.本モデルの特徴は(i)連合野, 海馬CA3に時間遅れを考慮したHebb則を用いることにより, 時系列パターンの学習を可能にした点, (ii)歯状回に符号化, 海馬CA1に復合化の機能を持たせた点である.数値シミュレーションにより, 本モデルは時系列パターンの長期記憶形成が可能であることが示された.