著者
南 由優 塩崎 由梨 加藤 千晶 伊藤 真貴 竹内 紀子 小柳 桃朱 荻野 敏
出版者
Japan Rhinologic Society
雑誌
日本鼻科学会会誌 (ISSN:09109153)
巻号頁・発行日
vol.49, no.4, pp.481-489, 2010 (Released:2010-12-23)
参考文献数
29
被引用文献数
5 5

Japanese cedar pollinosis (JCP), an unfortunately common chronic breathing problem, interferes with cognitive function, impairing work productivity and inducing economic loss. We evaluated JCP impact on work productivity, QOL, and symptoms.Our study, conducted during Japan's peak pollen season, used questionnaires on work productivity and activity impairment allergy-specific (WPAI-AS) and Japanese rhino conjunctivitis QOL (JRQLQ).The pollen count in 2009-4067.5/cm2 was 3 times that in 2008-1468.4/cm2. Subjects numbered 227 (202 employees and 25 students) in 2008 and 308 (277 employees and 31 students) in 2009. Mean workplace absence was 0.9% in 2008 and 1.2% in 2009 and mean work efficiency loss 33% in 2008 and 42% in 2009. Mean classroom absence was 0% in 2008 and 1.5% in 2009 and mean study efficiency loss 33% in 2008 and 48% in 2009, showing a positive correlation between work productivity score, QOL, and symptoms. Work productivity decreased more in 2009 with increased pollen count.With the large economic loss due to pollinosis, both symptom severity and QOL must be improved to increase work productivity.
著者
伊藤 真紀
出版者
日本演劇学会
雑誌
演劇学論集 日本演劇学会紀要 (ISSN:13482815)
巻号頁・発行日
vol.56, pp.21-37, 2013 (Released:2017-01-06)

Since 1948, female Nô performers have been admitted to the Nô Association, and women can now perform at Nô theatres. In few of these performances, however, do women play all the roles. This report considers the remarkable case of the “Awaji Women's Nô,” when a group of some sixty Ôsaka amateur women Nô students traveled to Awaji Island to perform together on a private stage on May 7, 1922.Awaji Women's Nô was a landmark in breaking down a long taboo against females on the Nô stage. Three factors made this unique event possible. First was the sponsorship of MASAOKA Kasaburô (1867-1950), a Nô aficionado from a wealthy Ôsaka family who built a private Nô stage at his estate on Awaji. Second was the active support of professional male Nô instructors of female pupils in the Ôsaka area. Third was the contribution of NAKAYAMA Mitsue, wife of the editor of an Ôsaka Nô journal (Kansai Nôgaku) who was herself a member of the Awaji group and helped promote the event, emphasizing the ways in which the study of Nô could help women promote family values.Awaji Women's Nô was widely reported in the press, and although the precedent was not to be repeated, it helped pave the way for the later reforms that would enable women to perform on the Nô stage.
著者
伊藤 真希
出版者
愛知淑徳大学大学院現代社会研究科
雑誌
現代社会研究科研究報告 (ISSN:18810373)
巻号頁・発行日
no.6, pp.57-68, 2011-03-04

論文
著者
清水 大輝 雄山 博文 若林 健一 伊藤 真史 杉田 竜太郎
出版者
一般社団法人 日本脳卒中学会
雑誌
脳卒中 (ISSN:09120726)
巻号頁・発行日
vol.43, no.6, pp.546-550, 2021 (Released:2021-11-25)
参考文献数
20

脳空気塞栓症は,医療行為や外傷,あるいは潜水などによって生じるが,内因性疾患が原因で生じることは稀である.今回,胸部疾患および腹部疾患にそれぞれ続発した脳空気塞栓症を経験したので報告する.症例1は78歳男性.非結核性抗酸菌症と肺気腫を基礎に有し,反復性気胸を呈していた.突然の左半身麻痺・意識障害にて発症し,画像検査にて,両前頭葉に微小な空気像と両側大脳半球に多発性脳梗塞,および右肺に気管支肺炎と気胸を認めた.臨床経過と検査所見から,慢性肺疾患を基礎に気胸に起因する脳空気塞栓症と診断した.症例2は92歳男性.嘔吐後意識障害にて発症し,画像検査では,左大脳半球に空気像と両側半球に多発性脳梗塞,および小腸イレウス・腸管気腫症・門脈ガスを認め,非閉塞性腸管虚血症に起因する脳空気塞栓症と診断した.脳空気塞栓症の中には,稀ではあるが内因性疾患が原因の場合があることに留意し,全身の複雑な病態把握に努める必要がある.
著者
中山 康之 伊藤 真
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.38, no.10, pp.787-793, 1983

原子を形づくる原子核と電子の間の空間には何が存在するだろうか. そこにはもはや他の分子や原子が入り込めないことを我々はよく知っている. そこにはどんな物も存在し得ない, まさしく虚とか空とか言えそうな場所である. 我我の物理学ではその空間は負のエネルギーをもった電子で満たされていると解釈し, それを真空と呼ぶ. この真空は外からエネルギーを与えれば簡単に確認出来るが, 原子番号が173をこえるような超重原子では外からエネルギーを与えなくても, 真空から自発的に電子-陽電子対が発生して真空が崩壊する. これは真空中に実在の電子が出来ることを意味し, 真空の全く新しい側面である. こんな理論的予測を実証しようとする実験が永い間続けられている.
著者
伊藤 真也 温品 悠一
出版者
公益社団法人日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
pp.11863, (Released:2020-10-16)
参考文献数
16

【目的】新型コロナウイルス感染症(以下,COVID-19)による重症肺炎にて体外式膜型人工肺療法(以下,ECMO)を導入された症例に対して理学療法を行い,歩行獲得まで至る経過を得たので報告する。【症例紹介】71 歳男性,COVID-19 による肺炎にて入院後急激に症状が増悪し,人工呼吸器管理に加えてECMO 導入。気管切開施行後,第10 病日に理学療法開始となった。【経過】導入後深鎮静管理中は関節可動域練習,体位交換,体位ドレナージを実施し,鎮静終了後はECMO 管理下にて端座位練習を行い,呼吸法指導・骨格筋トレーニング・起居動作練習・歩行練習を実施した。最終的には自立歩行が可能となり自宅退院の転帰を得た。【まとめ】感染防護を確実に行いECMO 管理下COVID-19 症例に有害事象なく理学療法が提供できた。今後はよりCOVID-19 症例に対する安全で効果的な理学療法を検討する必要がある。
著者
近藤 信哉 伊藤 真樹
出版者
一般社団法人 日本結核病学会
雑誌
結核 (ISSN:00229776)
巻号頁・発行日
vol.78, no.11, pp.677-682, 2003-11-15
参考文献数
18
被引用文献数
1

[目的] 今後の乳幼児接触者検診における方針決定に役立てるため, 現行の検診の有用性, 特に予防内服の発病阻止効果を後方視的に検討した。 [対象と方法] 活動性肺結核患者と家庭内接触して接触者検診に来院し, 少なくとも2年間経過観察できた0~4歳児273名とした。 [結果] 初回検診で発病児は273名中60名 (22%), 発病が疑われた児は37名 (14%) であった。すべての発病, 発病が疑われた児において治療は完了され, 再燃を認めなかった。26名 (9%) が未感染と診断された。その25名において発病を認めなかったが, 1名に2カ月後の2回目検診時に発病を認めた。150名 (55%) が初感染と診断され, 6カ月間イソニアジド (10mg/kg/日) を服用した。服薬開始直後, 1名に発病が認められた。他の149名において内服は完了されて発病を認めず, 服薬中に血清GOT, GPTが100単位/Lを超す肝機能障害を生じなかった。 [考察] 現状の家族検診は有用であり, 発病の有無を明確にして治療, 予防内服を行えば再燃, 発病をほぼ完全に, 安全に阻止していることを示した。また, 感染の証拠が得られずに未感染とされた児を含めて未発病家庭内接触乳幼児全員に, 予防内服を躊躇なく始めることが潜在結核感染症を減少させる選択肢の1つであることを示唆する。
著者
近藤 信哉 伊藤 真樹
出版者
JAPANESE SOCIETY FOR TUBERCULOSIS
雑誌
結核 (ISSN:00229776)
巻号頁・発行日
vol.78, no.11, pp.677-682, 2003-11-15
被引用文献数
1

[目的] 今後の乳幼児接触者検診における方針決定に役立てるため, 現行の検診の有用性, 特に予防内服の発病阻止効果を後方視的に検討した。 [対象と方法] 活動性肺結核患者と家庭内接触して接触者検診に来院し, 少なくとも2年間経過観察できた0~4歳児273名とした。 [結果] 初回検診で発病児は273名中60名 (22%), 発病が疑われた児は37名 (14%) であった。すべての発病, 発病が疑われた児において治療は完了され, 再燃を認めなかった。26名 (9%) が未感染と診断された。その25名において発病を認めなかったが, 1名に2カ月後の2回目検診時に発病を認めた。150名 (55%) が初感染と診断され, 6カ月間イソニアジド (10mg/kg/日) を服用した。服薬開始直後, 1名に発病が認められた。他の149名において内服は完了されて発病を認めず, 服薬中に血清GOT, GPTが100単位/Lを超す肝機能障害を生じなかった。 [考察] 現状の家族検診は有用であり, 発病の有無を明確にして治療, 予防内服を行えば再燃, 発病をほぼ完全に, 安全に阻止していることを示した。また, 感染の証拠が得られずに未感染とされた児を含めて未発病家庭内接触乳幼児全員に, 予防内服を躊躇なく始めることが潜在結核感染症を減少させる選択肢の1つであることを示唆する。
著者
伊藤 真梨子
雑誌
人文 (ISSN:18817920)
巻号頁・発行日
no.17, pp.115-152, 2019-03

本稿では一見近代化との関係が強いようには見えない漢字語基の中にも、日本の近代化に伴いその使用が増大し定着していったものがあることを提示した。具体的には、「特」を含む二字漢語について初出年代を調査し、「特」語彙が大きく増加した時期が幕末から明治10 年(1854~1877)の間であることを示し、この時期が初出である27 語のうち半数以上が現在もよく通用するものとして残っていることを明らかにした。また、「特」が後項にくる二字漢語は7 語と少なく、大正時代以降が初出のものはないことも確認した。次に、「特」語彙が持つ意味を、「(1)雄牛。(2)つれがない。ひとり。(3)すぐれている。(4)他とは異なる。」に分け、「特」が元々持っていた(1)の意味の二字漢語は日本では使用されず、(2)~(4)の意味はいずれも近世以前から見られることを示し、(4)の意味を持つ語が全体の7 割以上を占めどの時期でも多いこと、(2)の意味を持つ語は少なく、第二次大戦後が初出のものはないこと、(3)の意味を持つ語は幕末から第二次大戦まではある程度の数が見られたものの、初出例が戦後の語は1 語のみであることを確認した。| This paper offers that one type of base which does not seem to have a close relationship with modernization came to be used more and to take root in the society along with the modernization of Japan. In other words, it examines the year in which Sino-Japanese vocabulary made from two Chinese characters with "toku"(特)(hereinafter called "toku vocabulary")appeared for the first time, indicates that toku vocabulary increased greatly from 1854 to 1877, and clarifies that more than half of all 27 words which appeared in this period are still used now. Moreover, it confirms that there are only 7 words in which 特 is the last character, and that there were no new words introduced after the Taisho period. Next, this paper classifies the meaning of toku vocabulary into(i)bull(ii)alone(iii)superior(iv)different from others. This indicates that toku vocabulary in(i)is the oldest meaning and is not used in Japan, and that (ii)┉(iv)have been in use since the pre-modern period. In addition, it is confirmed that the words in(iv) account for more than 70% of words in all times, words in(ii)are few and there have been no new words since the end of World War II, and while some words in(iii)have been seen from the end of the Edo period to World War II, there is only one word that first appeared after the war.
著者
中山 康之 伊藤 真
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.38, no.10, pp.787-793, 1983-10-05 (Released:2008-04-14)

原子を形づくる原子核と電子の間の空間には何が存在するだろうか. そこにはもはや他の分子や原子が入り込めないことを我々はよく知っている. そこにはどんな物も存在し得ない, まさしく虚とか空とか言えそうな場所である. 我我の物理学ではその空間は負のエネルギーをもった電子で満たされていると解釈し, それを真空と呼ぶ. この真空は外からエネルギーを与えれば簡単に確認出来るが, 原子番号が173をこえるような超重原子では外からエネルギーを与えなくても, 真空から自発的に電子-陽電子対が発生して真空が崩壊する. これは真空中に実在の電子が出来ることを意味し, 真空の全く新しい側面である. こんな理論的予測を実証しようとする実験が永い間続けられている.
著者
渡邊 健 小谷 允志 伊藤 真理子 小根山 美鈴 白川 栄美 山田 敏史
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.57, no.5, pp.315-322, 2014-08-01 (Released:2014-08-01)
参考文献数
3

ISO 30300は記録のマネジメントシステム(MSR)の国際標準である。われわれは小規模な勉強会を通じてISO 30300の理解と分析を試みた。すでに記録管理の国際標準として浸透しているISO 15489を参照しながら,両者の違い―実務レベルから戦略レベルへ―が具体的にどのように盛り込まれているのかを検証した。ISO 30300ではMSRの原理原則とともに,ますます複雑化する記録管理を効果的・効率的に実践するために,トップマネジメントが率先してMSRを実行することの重要性が述べられている。日本のビジネス界では,いまだに体系的な記録管理に対する理解が深まらない状況にあり,ISO 30300の公式な邦訳版も存在しない。われわれの勉強会では結果的にISO 30300の全文邦訳も完了することができた。今後JIS化を含め,ISO 30300シリーズの普及にかかわりをもっていきたい。