著者
中村 文子 佐藤 弥 吉川 左紀子 松村 道一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.470, pp.7-12, 2002-11-14

近年、いくつかの研究から、視線方向の知覚によって喚起されるような自動的な注意シフトが、シンボルやジェスチャーによっても喚起されるという知見が報告されている。しかし、報告例は少なく実験手続きも統一されていないため、明確な結論は出されていない。今回我々は、視線・シンボル・ジェスチャーを手がかりとする3つの手がかりパラダイム実験を行い、この問題を検討した。手がかりは画面中央にランダムに呈示され、被験者はその後手がかりの左右いずれかに出現するターデットの位置をボタン押しで反応した。その結果、被験者は手がかりが確率的に有効でないことを認識していたにもかかわらず、それらが示す方向へターゲットが呈示された時、異なる方向に呈示された場合に比べ反応時間が有意に短縮された。実験1・2からは、いずれの手がかりによっても、課題遂行の促進が早い段階で起こり、復帰抑制は起こらないことが示された。また実験3からは、手がかり方向へ被験者の注意が移動していることが確かめられた。全ての実験において、質的交互作用は示されなかった。これより、視線・シンボル・ジェスチャー方向が、いずれも知覚者の注意を自動的にシフトさせると結論できる。

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