著者
丸山 珠美 上原 一浩 鹿子嶋 憲一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B-II, 通信II-無線通信・無線応用 (ISSN:09151885)
巻号頁・発行日
vol.80, no.5, pp.424-433, 1997-05-25
被引用文献数
44

屋内高速無線LAN端末用アンテナは, 設置場所のフレキシビリテイ向上のため小型でかつ全方位をカバーできることが望ましい. しかし高速化を実現する鋭いビームを得るには, アンテナの開口面積を確保する必要があり小型化は困難であった. 本論文は, この小型化を目的として, 円形地板上にモノポール八木・宇田アレーアンテナを周方向に配列したマルチセクタモノポール八木・宇田アンテナ(MS-MPYA: Multi Sector Monopole Yagi-Uda Antenna)を提案し, モーメント法を用いた解析と実験によりその設計を行った. MS-MPYAは金属フィンの設置がアレー間結合によって生じる水平面指向性のビーム割れをなくすのに有効であること, 隣接アレーを用いた指向性制御により水平面の半値幅を10゜小さくできること, 地板の影響により垂直面のビーム幅がアレー長によらず絞られることを示し, これによりアンテナの小型化が可能となることを明らかにした. 本結果をもとにアレー長, 地板長, リフレクタの高さ, フィンの長さで決まるMS-MPYAの設計法を示すと共に, 無線LANに用いる19GHz帯で試作を行い, MS-MPYAがコーナリフレクタを用いた場合の1/3の高さ6mmで所望特性が得られることを明らかにした.

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