著者
森 敬 梶川 嘉延 野村 康雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.86, no.2, pp.101-110, 2003-02-01
被引用文献数
15

本論文では,摂動の大きさを自動制御する新たな周波数領域同時摂動法(FDSP法)を用いたアクティブノイズコントロール(ANC)システムを提案する.提案法は摂動の大きさを自動制御させることにより,従来の摂動の大きさを固定した場合より収束速度を大幅に改善できる.具体的には,誤差信号が大きいときは摂動の大きさを大きくし,誤差信号が小さくなるに従い摂動の大きさを小さくするという制御を行うことで達成される.その結果,本システムはブロック処理に起因する不安定性の問題を解決するとともにステップサイズを大きな値に設定できる.本制御は摂動の大きさを小さく設定する必要がある場合に効果的であり,特に摂動の大きさを0.08としたときには収束速度は50倍以上高速化される.また本制御は,摂勘付加に起因して発生する雑音の抑制にも有効である.

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