著者
小幡 史明 影治 照喜 田畑 良 長瀬 紗季 生田 奈央 森 敬子 谷 憲治 坂東 弘康
出版者
一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
雑誌
日本プライマリ・ケア連合学会誌 (ISSN:21852928)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.18-22, 2015 (Released:2015-03-27)
参考文献数
11

背景 : 発症4.5時間以内の急性期脳梗塞患者に対するrt-PA静注療法が認可され有効性が報告されているが, 医療過疎地域では専門医不足と地理的条件からその実施は困難なことが多い.目的及び方法 : 2013年2月から2014年2月までの間, 当院に救急搬送された急性期脳梗塞患者は75例あり, このうち4例 (5.3%) に遠隔画像システム (k-support) を用いて画像診断を行いrt-PA静注療法のdrip and ship法を行った. この4例をretrospectiveに再評価し, 発症後の時間経過や治療転帰などについて検討した.結果 : 4例に対してdrip and ship法を施行し, 1例において閉塞血管の再開通が得られ症状の改善が見られた.考察 : 遠隔画像システムを利用することによってrt-PA静注療法のdrip and ship法が医療過疎地域においても安全に実施できると考えられた.
著者
村田 昇 金森 敬文 竹之内 高志
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.88, no.9, pp.724-729, 2005-09-01
被引用文献数
2

本稿では, 近年機械学習の分野で注目を集めているアンサンブル学習の一つであるブースティングを取り上げる.特に三つの学習器によるブースティングの仕組みについて考えて, 「三人寄れば文殊の知恵」を実現するためにどのような工夫が用いられているのかを解説する.
著者
堀川 英則 大橋 博子 石川 博司 内田 祐太 伊藤 涼太郎 森 敬子 武山 桂子 永井 裕史 影山 舞子 山口 千明 大野 徹
出版者
樹木医学会
雑誌
樹木医学研究 (ISSN:13440268)
巻号頁・発行日
vol.23, no.4, pp.195-202, 2019-10-31 (Released:2021-03-22)
参考文献数
23

愛知県豊橋市では,モモせん孔細菌病の防除のために春型枝病斑の早期切除技術(以下,早期切除)が篤農家により開発され,実践されているが,防除効果と実施基準は明確ではない.そこで,早期切除箇所周辺(早期切除区)と早期切除を行わず生育不良枝が残った箇所周辺(切除不実施区)の葉の発病状況を調査したところ,2017年は発病が少なく差は認められなかったが,2018年では切除不実施区で発病葉率が高く,早期切除区で低い傾向が見られた.これにより早期切除は葉の発病を抑制する可能性が示唆された.また,早期切除の指標化に向けて,2016年から2018年にかけ,早期切除の該当・非該当の1年枝の生育状況を画像解析により調査した.その結果,早期切除に該当する枝は該当しない枝と比較して,発芽や展葉が不良であった.そして,ロジスティック回帰分析から早期切除の判断には,枝の変色及び枯れ込みがあること,葉痕部の褐変した凹みがあることは重要な因子であった.
著者
金森 敬文 藤澤 洋徳
出版者
一般社団法人 日本統計学会
雑誌
日本統計学会誌 (ISSN:03895602)
巻号頁・発行日
vol.47, no.1, pp.1-18, 2017-11-14 (Released:2018-04-06)
参考文献数
23

経験推定可能なダイバージェンスに基づいた統計的推論の研究が盛んになっている.本論文では,経験推定可能性に加えて,相対アフィン不変性を課した場合に,主に焦点を当てている.その二つの性質をみたすダイバージェンスは,ある種の仮定の下ではヘルダー・ダイバージェンスだけであると証明することができる.そして,そのダイバージェンスと良く知られたブレッグマン・ダイバージェンスとの共通部分を考えると,たった二つのパラメータをもつ簡単なダイバージェンスを得ることもできる.また,ヘルダー・ダイバージェンスの上で,拡大された統計モデルを利用したパラメータ推定も考えている.それによって,通常の統計モデルと同時に外れ値の割合をも推定することを可能にしている.加えて,通常の統計モデルのパラメータ推定は,ロバスト統計で有効とされているガンマ・ダイバージェンスに基づいた推定となり,そのダイバージェンスが内在している様々な有効な性質を,そのまま使えることになる.
著者
清水 誠治 横溝 千尋 石田 哲士 森 敬弘 富岡 秀夫
出版者
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
雑誌
日本消化器内視鏡学会雑誌 (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.56, no.1, pp.3-14, 2014 (Released:2014-02-22)
参考文献数
37
被引用文献数
1

潰瘍性大腸炎とCrohn病はいずれも原因不明の慢性疾患であるが,慣例的に狭義の炎症性腸疾患(inflammatory bowel disease;IBD)と呼ばれ,それぞれに診断基準が定められている.診断においては画像診断が重要な役割を担うが,IBDと画像所見が類似する様々な疾患を鑑別する必要がある.近年,IBDの治療が進歩するとともに,さらに正確な診断が求められている.特に,カンピロバクター腸炎,アメーバ性大腸炎,腸結核,エルシニア腸炎などの腸管感染症をIBDと誤診することは回避しなければならない.また,潰瘍性大腸炎とCrohn病の鑑別が問題となる症例の対応にも注意を要する.本稿ではIBDと鑑別を要する疾患との大腸内視鏡による鑑別診断について解説した.
著者
山本 円 西村 美咲 西岡 香穂 曽和 正憲 西森 敬司
出版者
近畿産科婦人科学会
雑誌
産婦人科の進歩 (ISSN:03708446)
巻号頁・発行日
vol.74, no.3, pp.399-403, 2022 (Released:2022-08-01)
参考文献数
12

今回われわれは,ペニシリン系抗菌薬により薬疹を発症したために,アセチルスピラマイシンで加療した妊娠梅毒の1例を経験したので報告する.症例は19歳,初産婦.自然妊娠成立し,当院を受診された.妊娠10週の妊娠初期検査でrapid plasma reagin test(RPR法)定性,treponema pallidum hemagglutination test(TPHA法)定性のいずれも陽性であった.妊娠12週の梅毒定量検査でRPR64倍,TPHA20,480倍と高値であり,症状はなく,潜伏梅毒と診断した.感染時期は不明であった.妊娠12週よりアモキシシリン1500 mg/日を処方したが,内服8日後に四肢に蕁麻疹を発症し,薬疹と診断し薬剤の変更を行った.妊娠15週よりアセチルスピラマイシン1200 mg/日を8週間投与した.内服後,RPR抗体価が治療前の1/4以下に低下したため治療効果ありと判定し,以降は経過観察を行った.妊娠41週0日に自然陣痛発来し,同日経腟分娩に至った.児は3644 gの男児,Apgar scoreは9/10点(1分値/5分値)であった.児の先天梅毒の感染は否定的であった.本症例ではアセチルスピラマイシンの投与により梅毒の母子感染を防ぐことができた.しかしアセチルスピラマイシン投与による妊娠梅毒の治療効果についてはエビデンスに乏しい.今後,ペニシリンアレルギー患者に対する妊娠梅毒の治療法確立のため,さらなる症例の蓄積と検討が必要であると考える.〔産婦の進歩74(3):399-403,2022(令和4年8月)〕
著者
竹森 敬祐 三宅 優 中尾 康二
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータセキュリティ(CSEC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2002, no.68, pp.27-32, 2002-07-18
参考文献数
11
被引用文献数
1

コンテンツの変更を検知してアラームを通知するWebサーバリモート監視システムにおいて,正規の更新によって通知されるアラームの中に,注意すべき改竄アラームが埋もれてしまいかねないという問題が明らかになった.そこで本稿では,監視中のコンテンツに変更を検知した場合,そのコンテンツの特徴や変更前後の変化の様子を解析することで,改竄を的確に検出する改竄判定手法を提案する.提案手法は,改竄にみられる特徴のうち1つでも1つでも該当する項目があれば改竄とみなす手法であり,その判定結果は,正規の更新と改竄を区別して出力する.実際の改竄のデータを用いて提案手法の改竄判定率を評価した結果,小さな誤判定率で全ての改竄を検出できることを確認した.これにより,サイト管理者は改竄アラームに集中できるようになり,検出された改竄の特徴を知らされることで,コンテンツの改竄状況の把握と改竄時の対策を迅速に実施できるようになる.We have developed a remoto patrol system for web servers which detects the change of contents. However, it could not distinguish between regular updata and and unauthorized manipulation. The administrator of web servers may receive many alarms from this system if the contents are updated, frequently. In this paper, we propose detection algorithm of unauthorized manipulation by concentrating on the characteristics on HTML contents as well as the correlation between before and after changes. We could abstract six characteristics, which are so-called signatures to detect manipulations based on the several sample data. We also evaluate our algorithm using many sample data, and as the results our algorithm is quite feasible to detect any types of contents with little miss-detection of faults positive. In conclusion, administrators of web servers detect and manage the unauthorized detection efficiently among their routing works.
著者
竹森 敬祐 藤長 昌彦 西垣 正勝
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. マルチメディア通信と分散処理研究会報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.21, pp.61-66, 2008-03-06
参考文献数
9
被引用文献数
1

Source IPを詐称した攻撃対策として,ネットワークを通過する攻撃パケットを被害者側(Destination)から加害者側(Source)へと遡って追跡するIPトレースバックが注目されている.しかし,トレースバックに必要な機能を,通信経路上の多数のルータに組み込むこと,もしくは専用の装置を多数設置することが導入への障壁となっている.そこで本研究では,既存のDNSサーバのログ,もしくは,DNS通信をキャプチャする装置だけでSource IPを探し出す,詐称IP探索方式を提案する.これは,攻撃の直前に被害者ホストのFully Qualified Domain Name(FQDN)に該当するDestination IPをDNSサーバに問い合わせたログから,Source IPを探し出す手法である.また,Source IPが詐称されていることを,通信に関与しないドメインに漏洩しないように,Source IPとFQDNのハッシュ値を用いて確認する手法と,複数のDNSログを照合することで探索結果の信頼性を向上させる手法についても検討する.本手法の有効性を確認するために,Botから発信されるパケットを収集することで,DNS検索型の攻撃割合を調査する.
著者
高森 敬久
出版者
中部学院大学
雑誌
中部学院大学・中部学院大学短期大学部研究紀要 (ISSN:1347328X)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.69-79, 2005-03

在宅ケアを障害が重く虚弱な高齢者とくに痴呆性高齢者のケアに重点を置いた場合、彼らには通う、訪問、泊まる、住まう、そうして最後にターミナル・ケアの諸機能をケア・マネジメントを通じて総合的・統合的・連続的に提供し、さらにこれを制度化することが期待されているが、今日我が国の実践レベルではごく一部で試みられているに過ぎないし、その有効性についても仮説のレベルを越えていない。かたや北米合衆国各地においては既に1970年代頃からこうした多機能型プログラムに取り組まれている。そこで本研究ではこうした先行事例を実地調査し、ソーシャルワークによる援助方法の有効性を検証・分析すると共に今後に残された課題について若干の提案を試みる。
著者
川端 秀明 磯原 隆将 竹森 敬佑 窪田 歩 可児 潤也 上松 晴信 西垣 正勝
雑誌
コンピュータセキュリティシンポジウム2011 論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, no.3, pp.161-166, 2011-10-12

Android OSを搭載した端末では,アプリケーション(以下,アプリ)をインストールする際に,アプリが利用する機能や情報をパーミッションという単位でユーザに通知して,インストールの可否を仰いでいる.しかしながら,一度ユーザがアプリのパーミッションを許可してしまうと,そのアプリがパーミッションをどのように利用しているのか把握することができず,制御が効かない問題がある.そこで本稿では,実行中のアプリに対して,利用する機能や情報へのアクセスをリアルタイムで制御するフレームワークを提案する.危険を伴うパーミッションに付随するAPIに割り込み処理を実装し,パフォーマンス評価を行い有効性を示す.
著者
北島 宣 山本 雅史 伊藤 謙 米森 敬三 深尾 葉子 安冨 歩 中崎 鉄也 山崎 安津 清水 徳朗 中野 道治 岳 修平 林 維真 鐘 國芳 中野 道治 長田 俊樹 渡邉 和男 河瀬 真琴 山下 満智子 前山 和範 中村 彰宏
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2016-04-01

ウンシュウミカン、カボス、などの両親が明らかとなり、多くの日本在来カンキツは、キシュウミカン、ユズ、タチバナに起源していることが明らかとなった。キシュウミカンは中国江西省の「南豊蜜橘」に由来することが示された。タチバナは台湾に起源し、沖縄を経て本土に伝播したと考えられ、タチバナの沖縄系統はシークワーサーとの交雑によって生じたことが示唆された。田中長三郎のカンキツ標本を整理してデジタル入力を行い、検索機能も付加してアーカイブ化を行った。田中長三郎の自筆スケッチなどの資料を蒐集・整理してデジタル化を行うとともに、和歌山県橘本神社のカンキツ博物館「常世館」に展示し、広く一般に公開した。
著者
張 学超 森 敬祐 真壁 朝敏 井上 晋一 安藤 新二
出版者
公益社団法人 日本材料学会
雑誌
材料 (ISSN:05145163)
巻号頁・発行日
vol.70, no.6, pp.473-478, 2021
被引用文献数
1

<p>Push-pull fatigue tests of rolled magnesium alloys AZ31 and AZX912 were performed with a side-notch plate specimen to examine the effect of a single overload on the crack growth behavior under a stress ratio of -1. The behavior in retardation of crack growth was unclear in the case of AZ31 because the crack growth rate was relatively higher at the overload point. However, this was observed clearly, when the branching of the crack tip happened in the case of AZX912. The geometry of the fracture surface and the changes in crack growth path were related to the crack growth behavior. The crack opening level became higher when the crack growth rate was lower. Therefore, the crack closure is related to the retardation of the crack growth rate. When the branching of a crack tip occurred, not only the residual compression stress at crack front but also the variation of local crack growth direction after overload affected the fatigue crack growth behavior. </p>
著者
金森 敬文
出版者
一般社団法人 日本統計学会
雑誌
日本統計学会誌 (ISSN:03895602)
巻号頁・発行日
vol.44, no.1, pp.97-111, 2014-09-26 (Released:2015-04-30)
参考文献数
15

密度比は2つの確率密度の比として定義され,さまざまな統計的推論と関連し,応用されている.本稿では,まず密度比の推定法について紹介する.また密度比を用いて,2つの確率密度の非類似度を測る尺度であるダイバージェンスを推定する方法について解説する.さらにダイバージェンス推定を2標本検定に応用した結果について述べる.理論的考察や数値実験を通して,提案法の優位性を示す.
著者
和田 英一 森 敬
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.14, no.8, 1973-08-15
著者
田村 美穂子 田尾 龍太郎 米森 敬三 宇都宮 直樹 杉浦 明
出版者
THE JAPANESE SOCIETY FOR HORTICULTURAL SCIENCE
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.67, no.3, pp.306-312, 1998-05-15 (Released:2008-01-31)
参考文献数
24
被引用文献数
24 41

カキ属(Diospyros)のカルスを用いてゲノムサイズおよび倍数性を決定した.カキ(D. kaki Thunb.)9品種およびカキ以外の12種のカキ属(Diospyros)植物の葉原基由来カルスの核DNA含量をフローサイトメーターを用いて測定した.核DNA含量が既知のニワトリ赤血球およびタバコと比較することで6倍体のカキ品種のゲノムサイズは5.00-5.24 pg/2Cであり, 9倍体品種は7.51-8.12 pg/2Cであることが明らかとなった.また6倍体のD. virginianaのゲノムサイズは5.12 pg/2Cであり, 4倍体のD. rhombifoliaは3.76 pg/2Cであった.他の2倍体の種のゲノムサイズはD. montanaを除いて1.57-2.31pg/2Cであった.D. montanaは2倍体であるが, そのゲノムサイズは4倍体と同程度の3.48 pg/2Cであった.D. montanaを除くカキ属植物の倍数性とゲノムサイズの間には強い一次相関が認められ, ゲノムサイズより倍数性の推定が可能であるものと考えられた.本研究ではカルス細胞を用いた染色体観察法も検討し, カキ'宮崎無核'の染色体数は2n=9x=135, '次郎'とD. virginianaの染色体数は2n=6x=90, D. rhombifoliaは2n=4x=60, その他のカキ属植物の染色体数は, 倍数性が未知の4種を含めて2n=2x=30の2倍体であることを示した.この倍数性は, D. montanaを除いてフローサイトメトリーから推定した倍数性と一致した.
著者
森 敬祐 真壁 朝敏 安藤 新二 井上 晋一
出版者
一般社団法人 日本高圧力技術協会
雑誌
圧力技術 (ISSN:03870154)
巻号頁・発行日
vol.58, no.1, pp.14-21, 2020

Fatigue crack growth tests of rolled magnesium alloy AZ31 were performed with a side-notch plate specimen under negative mean stress conditions. In the results of the present study, even if the experimental conditions were the same, the crack growth behavior varied depending on the condition of the specimen and depending on the microstructure. The local friction between large size and small size crystals and the shear deformation are expected to be related to the crack closure. The crack growth rate was affected by the crack opening stress. When the crack growth rate was lower level, the crack closure behavior worked due to the plastic deformation and the roughness of the fracture surface. There was local rough pattern which work as the shear lip at sides of the crack surface.