著者
長谷川 修 森島 繁生 金子 正秀
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.80, no.8, pp.1231-1249, 1997-08-25
参考文献数
76
被引用文献数
46

「顔」は人間にとって非常に身近な存在であると共に, 顔の持ち主である一人一人の人間における個人的な情報, コミュニケーションに係わる情報を始めとした, 言語的手段では表現しにくいようなさまざまな情報を担っている. 近年, 工学分野では主としてコミュニケーションメディアやヒューマンインタフェースへの応用の観点から,「顔」の工学的取扱いに対する研究が活発に行われている. 具体的には, ユーザである人間を対象とした視覚機能をコンピュータにもたせるための顔の認識技術と, コンピュータあるいはコミュニケーションメディアに表現力豊かな顔をもたせるための顔の合成技術である. これらの研究成果は, 従来個別に検討が行われていた顔関連の心理学, 人類学, 美容, 歯科等さまざまな分野においても活用されつつある. 本論文では, このような観点からコンピュータによる顔情報処理に焦点を当て, まず要素技術としての顔画像合成と表情認識について最近の技術動向を概観する. 次に,「顔」の諸特性について考察した後に, 人と人との対面コミュニケーションの支援, 人と機械との間の顔情報を介したコミュニケーションという二つの立場から「顔」の工学的応用について述べる. また,「顔」情報処理の研究のためのツールやデータベース等についても紹介する.

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