著者
陳 国躍 安倍 正人 曽根 敏夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.82, no.6, pp.851-859, 1999-06-25
参考文献数
23
被引用文献数
10

騒音の能動制御 (Active Noise Control : ANC) を広い空間で実現するためには, 複数の打消しスピーカ及びエラーセンサが必要となり, また, 騒音源が複数存在する場合には, 複数の参照センサを必要とする. そのため, 音響伝達系は複雑になり, 能動制御の性能が劣化する. 本論文では, このような多入力多制御点のANCシステムの複雑な音響伝達系における性能劣化の原因を, 周波数領域での評価法を用いて検討する. その結果, 入力多制御点のANCシステムにおいては, 複数のスピーカから放射された打消し音が, 空間で混じり合うこと(カプリング)と, 参照信号間に相関があることにより, 適応アルゴ.リズムの収束速度が遅くなり, また, 計算誤差が大きく, 打消し量が小さくなることを明らかにする. 更に, 検討結果をもとに, 適応アルゴリズムの収束速度についていくつかの改善法を提案する.

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