著者
鈴木 正嗣 梶 光一 和 秀雄
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
日本獣医学雑誌 (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.54, no.3, pp.551-556, 1992-06-15
被引用文献数
9

北海道洞爺湖中島のエゾシか個体群について, 精巣ならびに血漿テストステロン濃度の年間変動を調べた. 他の温帯性のシカ類と同様に, エゾシカにおいても, 精巣のサイズや精細管直径, 精細胞の構成や配列, 血漿テストステロン濃度に顕著な季節的変化が認められた. 精子形成は7〜8月頃に開始されると考えられ, 8月末の時点では完成した精子が少数みられた. 洞爺湖中島における交尾期開始時期の10月末になると, 精巣サイズや精細管直径の平均値は最大となり, 精上皮には盛んな精子形成像が認められた. 精巣の退縮はl2月末には始まっており, 2〜3月になると精子形成は終了していた. 以後6月頃まで, 精巣は休止状態にあるものと思われた. 交尾期にあたる10月末と11月初めの血漿テストステロン濃度は, 2月や3月, 6月, 12月に比べると極めて高く, 個体差が大きかった. この個体差は, テストステロンのpulsatile secretionによるものと考えられた.

言及状況

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こんな論文どうですか? 野生エゾシカ(Cervus nippon yesoensis Heude, 1884)における精巣と血漿テストステロン濃度の季節的変動(鈴木 正嗣ほか),1992 http://id.CiNii.jp/QanDL

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