著者
森田 幸雄 丸山 総一 勝部 泰次
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
日本獣医学雑誌 (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.56, no.3, pp.475-479, 1994-06-15
被引用文献数
8

1988年から1990年の3年間に, 群馬県内のG食肉処理場で, 処理された豚1,776,294頭中4,919頭(0.28%)に非定型抗酸菌症が発見された. 結核様結節の多くは, 下顎リンパ節(64.4%)と腸間膜リンパ節(29.0%)にみられた. 上記の食肉処理場に出荷している1,200養豚場のうち4農場に集団発生が, 870農場に散発的な発生がみられた. 1988年9月から1989年12月の間に発見された2,076頭中231頭について病変部ならびに胃, 盲腸内容からの非定型抗酸菌の分離を試みた. 結核様病変がリンパ節のみにみられたもの219頭中141頭の病変部から, 肝臓または実質臓器とリンパ節の両者にみられたもの12頭中12頭の病変からMycobacterium avium-intracellulare complex(MAIC)が分離された. また, 細菌検査を実施した231頭のうち11頭の胃内容および6頭の盲腸内容からMAICが分離された. 分離株431株のうち336株は13の血清型に分類された. MAIC血清型6型(34.6%)が最も優勢で, 次いで8型(21.8%), 4型(8.6%), 10型(6.5%)であり, MAIC血清型3型も4株検出された. 16頭の豚で複数の血清型が分離された. 群馬県ではMAICによる豚の非定型抗酸菌症が蔓延していることが示唆された.

言及状況

Twitter (1 users, 2 posts, 0 favorites)

こんな論文どうですか? 群馬県における豚の非定型抗酸菌症の発生と分離菌の血清型(森田 幸雄ほか),1994 http://t.co/soy0y0KSdb
こんな論文どうですか? 群馬県における豚の非定型抗酸菌症の発生と分離菌の血清型(森田 幸雄ほか),1994 http://t.co/ycq0m3hv

収集済み URL リスト