- 著者
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小松 武志
山本 欣郎
坪田 敏男
阿閉 泰郎
鈴木 義孝
- 出版者
- 社団法人日本獣医学会
- 雑誌
- The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
- 巻号頁・発行日
- vol.58, no.4, pp.329-335, 1996-04-25
- 被引用文献数
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7
野生個体1頭と飼育個体3頭から採取した精巣組織材料を用いて, ニホンツキノワグマ(Selenarctos thibetanus japonicus)における精子形成サイクルについて, 光学顕微鏡および電子顕微鏡による観察を行った. 光顕による観察から, 精子細胞の核およびアクロソームの形態学的変化に基づいて, 精子細胞を11ステップに分類した. さらに, この精子細胞の形態学的変化, 減数分裂像および精子細胞の管腔への遊離時期を指標にして, 精上皮サイクルを8ステージに区分した. 一つの精細管横断面は, 大抵単一のステージによって占められていた. ステップ1-2の精子細胞は, よく発達したゴルジ装置を持ち, ステップ3-5では核膜表面を被うアクロソームに沿って, 三日月状に観察された. ステップ6の精子細胞は先端を基底膜方向に向け, 精子細胞の細胞膜とアクロソーム外膜とが接着した. ステップ9においては, アクロソームがセルトリ細胞の細胞質ヘ突出している像が観察され, ステップ11になると, 精子細胞の細胞質のほとんどがセルトリ細胞に取り込まれ, 精子細胞そのものは精子として管腔へ遊離した.