著者
小田切 敬子 浜野 政章 吉川 泰弘
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.61, no.6, pp.595-601, 1999-06-25

リスザルは神経研究や認知科学において最もよく利用されてきた実験用霊長類の1種である.従って,リスザルの習性や行動を詳細に知ることは,中枢神経系の退行や,機能障害を判定するのに有効である.本研究では,リスザルがウズラのゆで卵を取ってから食べるまでの一連の摂食行動(Eating series: ES)について観察し,連鎖の解析をした.実験1では72匹のリスザルの,のべ378回のESについて解析した結果,3通りの統計学的に有意な推移パターンが見られた.実験2では,8匹のリスザルを無作為に選びだし,各個体につき31〜36回のESについて解析した.その結果,リスザルはウズラの卵を押すまたはこするという動作を示すPr/Ruグループとそうでないno-Pr/Ruグループとに分けられた.また,Pr/Ruグループの中でも,常にこの動作を示す個体とそうでない個体とがいた.このことからリスザルは実験室内で各個体に特徴的なESを獲得し,発達させてきたことが推察された.

言及状況

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"@hana_ko45: http://t.co/3tibHUUA東京大学の動物実験、リスザルにウズラのゆで卵を与えて、食べるまでの一連の動作を観察した。"
http://t.co/e9xSnOHn東京大学の動物実験、リスザルにウズラのゆで卵を与えて、食べるまでの一連の動作を観察した。

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