著者
圓川 隆夫 曹 徳弼
出版者
社団法人日本経営工学会
雑誌
日本経営工学会誌 (ISSN:03864812)
巻号頁・発行日
vol.44, no.6, pp.501-509, 1994-02-15
被引用文献数
5

本研究では, 多段階のロジスティクスシステムにおいて, 理想的なロジスティクス, すなわち, ジャスト・イン・タイムを阻害している要因として, リードタイム, 需要の不確実性の大きさ, 意思決定段階数の3つを取り上げ, システム平均在庫を尺度として, これら3つの阻害要因とシステム平均在庫との関係およびその相乗的効果を定量的に示すものである.そのために, 情報の利用形態により, 独立型, 情報共有型, および統合型の3つのタイプのモデルについて, サービス水準が同一のもとでのシステム平均在庫の定式化を行うとともに, その効果の評価を行った.その結果, リードタイム等の条件の障害が大きいときほど情報の共有化による在庫削減効果が大きいこと, さらにリードタイムについて, サイクルリードタイムと補充リードタイムに概念区分をした上で, その中のボトルネックとなるサイクルリードタイムの削減が最も本質的な意味をもつことを示唆した.

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