著者
松山 雅子 松村 吉祐
出版者
大阪教育大学
雑誌
大阪教育大学紀要. V, 教科教育 (ISSN:03893480)
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.1-21, 2005-09-30

グリム童話の『赤頭巾』は,多分に教訓的な物語である。その価値観は,高校生の価値観の深層に刷り込まれている。高校生がこの既知のテクストを再読することは,自己の価値観を見つめ直すことにつながる。グリム童話の『赤頭巾』を中心教材とし,ペロー童話と,ポール=ドラ・リュ発表の口承民話とを比較読みのテクストとした。指導過程の大枠は,再読,再話,再読の三つの課題で構成した。学習者の再話には,高校生の価値観や現実認識が現れてきていた。口承民話は,学習者に刺激を与え,価値観を揺さぶり,グリム童話の『赤頭巾』を解釈し直す契機となった。その際,整合性のある解釈をするために,論理的な思考活動が展開されていた。

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松山雅子,松村吉祐.自己を見つめ直す国語教育 : 既知テクストの再読・再話を通して.大阪教育大学紀要. V, 教科教育 54(1), 1-21, 2005-09-30. http://t.co/kUzSAxKZMs #うーえすべー

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