- 著者
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伊藤 榮子
- 出版者
- 日本赤十字秋田看護大学・日本赤十字秋田短期大学
- 雑誌
- 日本赤十字秋田短期大学紀要 (ISSN:13430033)
- 巻号頁・発行日
- vol.9, pp.11-21, 2005-03-15
本研究は、幼少期から学童中期までの学習経験が、その後の成長にもたらす影響を知るため、家庭・学校・社会の生活区分の調査項目、現在の人格的特性の自己評価項目を135人の看護短大生を対象に調査した。結果の分析は「はい」70%以上の集団と「いいえ」50%以上の集団に分けて行った。両集団に統計学的に有意差が認められたのは家庭生活であり、学校・社会生活には両集団に鮮明な差はなかった。その結果、以下のことが明確になった。 1.「はい」の集団の家族は、家庭内の規則遵守・習慣形成などで厳しい。忍耐や知的抑制、自己抑制への関心が高い。社会的な伝達機能の育成・知的能力への関心も高く、希望と上昇志向も同様である。2.「いいえ」の集団は「物事の判断は直感に頼る方」であり、感情表出もしないで抑えてしまう可能性がある。この集団の家族は「応答性の質」と「発達の臨界期」を無視する可能性がある。