著者
伊藤 榮子
出版者
日本赤十字秋田看護大学・日本赤十字秋田短期大学
雑誌
日本赤十字秋田短期大学紀要 (ISSN:13430033)
巻号頁・発行日
no.13, pp.9-21, 2008

歩行期から青年後期のどの段階に社会、家庭の基本的生活の型を獲得し、自己抑制、自立に誰が影響しそれが現在も持続しているか探るためにA短期大学看護学生とB大学生64名に無記名の質問紙調査を実施した。その結果、以下のことが明らかになった。1)子どもの成長に対する母の影響は、家庭、社会生活の基本的な型の習得に、父、兄弟姉妹、祖父母、教師より大きく、歩行期に最大で、今も減少しながら学生の生活に役立っていた。(2)学童中期の初めに子どもが自己抑制を身につけると、母以外の他の影響が増えはじめた。この不明確な影響は集団社会が持っている、人に新しい精神的、肉体的な能力をあたえると思われる機能の影響が、学童中期から青年後期の初めに多くなった。
著者
伊藤 榮子 Eiko Ito 日本赤十字秋田看護大学看護学部看護学科
雑誌
日本赤十字秋田看護大学・日本赤十字秋田短期大学紀要 = Journal of the Japanese Red Cross Akita College of Nursing and the Japanese Red Cross Junior College of Akita (ISSN:21868263)
巻号頁・発行日
no.17, pp.1-5, 2013-03-31

3歳~13歳の子ども60人とその母親の生活習慣とStreptococcus mutans(以下Sm)とLactobacillus(以下LB)の定量測定レベルとの関係を知るためにA市郊外にあるB歯科診療所で治療を受けていた母子60組(120人)に対して質問紙による生活習慣の調査と、Dentocult SM Strip mutans (伊藤、2010)とDentocult LB SLIDE CULTUREによるテストを2010年1月~8月に行った。本稿はそのLB及びSmとむし歯に関わる報告である。結果は以下のようであった。1)母親のSmとLBのレベル、2)子どものSmとLBのレベル、3)母子のSmとLBのレベルの比較から、Smとむし歯の原因になるかもしれないLBには統計的な差はみられず、SmとLBは同等に相関性が高く関連性があると確認された。これらの細菌は主に母親や大人とのスプーン,箸等の共用により感染すると考えられた。このことから、母親と子どもがむし歯予防を実践して生活習慣を変えることに、より大きな関心を持ち感染から子どもを守るための保健行動にふさわしいSmと同様にLBについての事実を含む健康教育をする必要がある。
著者
志賀 くに子 伊藤 榮子 Kuniko SHIGA Eiko ITOU 日本赤十字秋田短期大学看護学科 日本赤十字秋田短期大学看護学科
出版者
日本赤十字秋田短期大学紀要編集委員会
雑誌
日本赤十字秋田短期大学紀要 = Bulletin of the Japanese Red Cross Junior College of Akita (ISSN:13430033)
巻号頁・発行日
no.11, pp.29-35, 2007-03-20

産褥早期の乳房・乳頭トラブルの発生件数・内容およびそれらに対するケア内容について明らかにすることを目的に、秋田県内医療施設(18施設の褥婦364名)に対して調査を行った。その結果を以下に示す。1.乳房・乳頭トラブルは153名(42.0%)の褥婦に発生しており、最も多い発生時期は産褥3日目の52名(34.0%)であり、次いで産褥2日目の42名(27.5%)、産褥4日目の26名(17.0%)であった。2.乳房・乳頭トラブルの発生状況で最も多いのは、亀裂の56名(36.6%)であり、次いで痛みの38名(24.8%)、うつ乳の30名(19.6%)、発赤の28名(18.3%)、硬結の27名(17.7%)であった。3.乳房・乳頭トラブル時のケア内容で最も多いのは、授乳指導の82名(53.6%)であり、次いで乳頭マッサージの50名(32.7%)、自己搾乳指導の47名(30.7%)、生活指導の35名(22.9%)、冷湿布の30名(19.6%)であった。Our aim is to elucidate the incidences and types of breast and nipple problems in puerperal women and their treatment at medical facilities in Akita prefecture (18 facilities, 364 women). Wepresent the results as follows. 1. Breast and nipple problems were experienced by 153 puerperal women (42.0%). Symptoms most commonly emerged at 3 days postpartum (52 women, 34.0%) followed by 2 days postpartum in (42 women, 27.5%) and 4 days postpartum (26 women, 17.0%). 2. The symptom with the highest incidence was cracked nipples (56 women, 36.6%) followed by pain (38 women, 24.8%), and galactostasis (30 women, 19.6%), redness (28 women, 18.3%), and engorgement (27 women, 17.7%). 3. The most common treatment in response to breast and nipple problems was breastfeeding assistance (82 women, 53.6%) followed by nipple massage (50 women, 32.7%), assistance in manual extraction of milk (47 women, 30.7%), lifestyle guidance (35 women, 22.9%) and cold compress (30 women, 19.6%).
著者
志賀 くに子 伊藤 榮子
出版者
日本赤十字秋田看護大学・日本赤十字秋田短期大学
雑誌
日本赤十字秋田短期大学紀要 (ISSN:13430033)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.37-43, 2000-03-31
被引用文献数
1

学生の母性看護学実習における満足度を知ることは,今後の母性看護学実習のあり方,また教員の指導のあり方についての示唆を得る上で重要であると考え,本学の学生を対象に,母性看護学実習全体の満足度,意欲への満足度,教員の関わりへの満足度,各実習場所における満足度の4項目について質問紙による調査を母性看護学実習終了後に実施した。40の有効回答を集計した結果,以下のことが明らかになった。1.「母性看護学実習全体」の満足度については,まぁまぁ満足しているも含めると,満足している学生は75.0%であった。2.「意欲」への満足度については,まぁまぁ満足しているも含めると満足している学生は80.0%であった。3.「教員の関わり」への満足度については,まぁまぁ満足しているも含めると,満足している学生は95.0%であった。ただし,満足していない学生はいなかった。4.「各実習場所」の満足度については,実習場所によりばらつきがみられた。「未熟児室」「外来」「新生児室」では,まぁまぁ満足しているも含めると満足している学生は90.0%以上であった。また「分娩室」「褥室」では,まぁまぁ満足しているも含めると満足している学生は70.0%以下であった。
著者
伊藤 榮子
出版者
日本赤十字秋田看護大学・日本赤十字秋田短期大学
雑誌
日本赤十字秋田短期大学紀要 (ISSN:13430033)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.11-21, 2005-03-15

本研究は、幼少期から学童中期までの学習経験が、その後の成長にもたらす影響を知るため、家庭・学校・社会の生活区分の調査項目、現在の人格的特性の自己評価項目を135人の看護短大生を対象に調査した。結果の分析は「はい」70%以上の集団と「いいえ」50%以上の集団に分けて行った。両集団に統計学的に有意差が認められたのは家庭生活であり、学校・社会生活には両集団に鮮明な差はなかった。その結果、以下のことが明確になった。 1.「はい」の集団の家族は、家庭内の規則遵守・習慣形成などで厳しい。忍耐や知的抑制、自己抑制への関心が高い。社会的な伝達機能の育成・知的能力への関心も高く、希望と上昇志向も同様である。2.「いいえ」の集団は「物事の判断は直感に頼る方」であり、感情表出もしないで抑えてしまう可能性がある。この集団の家族は「応答性の質」と「発達の臨界期」を無視する可能性がある。