- 著者
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丸山 良平
小林 秀智
- 出版者
- 上越教育大学
- 雑誌
- 上越教育大学研究紀要 (ISSN:09158162)
- 巻号頁・発行日
- vol.25, no.1, pp.229-242, 2005-09-30
本研究の目的は幼稚園5歳クラス児が自発的に制作した物語絵本の内容と,その活動の開始を助け展開を支えた保育者の援助の実態を明らかにすることである。これまでに観察した幼児が偶然はじめた自発的な物語絵本の制作活動を分析し,その条件を洗い出した。その条件の一つである手作り絵本を準備して,筆者の一人が担任教師をする幼稚園5歳クラスで読み聞かせしたところ,幼児たちは自発的に物語絵本の制作をはじめた。この園では特別な文字教育といわれる指導は行われていないが,幼児たちは2ヶ月に渡って積極的に熱心に物語を創り文章にした。幼児が制作した絵本の内容とその制作活動を支える教師の援助の実態を分析し,幼児が自発的に文字で文章を書く条件と教師の援助の在り方を考察した。