著者
井口 浩一
出版者
嘉悦大学
雑誌
嘉悦大学研究論集 (ISSN:02883376)
巻号頁・発行日
vol.44, no.1, pp.93-101, 2001-12-21

この世は、生命の創造ということによって成立している。したがって、常に新しい。その創造から祝福をもって遣わされた存在白身が、言霊や文字であると言っていい。このことから、彼らの役割は、徹底して、創造に参与することにおかれているに相違ない。その、永遠の経過が、瞬間ごとの事実というふうになっているとみて、誤まりはないであろう。私達は、かかる事実に、(言霊や文字を通じて)、素直にそえば、そこに、いやでも幸福は招来されずにはいないはずである。私達の親も、言霊や文字と同じ、創造にあるからである。事実を事実とすること、(自己白身を愛すること)、そういう生活を実践すること、つまり表現するということ、そのことが、私達の生命の唯一の使命なのではなかろうか?-歌を唄う、ということは、そういう営みを言う言葉として継がれてきているように思う。ここから、歌を、美しく唄うことが、誰にも大切なこととして登場してくる、と、私は考えている。しかし、現代のわが国は、かかる、事実を事実とする生活から、よほど離れてしまっているとしなければなるまい。多くの不調和の原因は、この反事実、反歌唄性に由来している、とみなしていい。言霊にかえること・文字そのものの古里を訪ねること、つまり、日本語で歌を美しく唄うという、私達のありのままの素直さが、現在、私達には天来の声として響いてきていると私には思われるのである。

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CiNii 論文 -  言霊と文字と現代日本 https://t.co/9GXwsqOGoH
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