著者
林 秀弥
出版者
東京大学
雑誌
社會科學研究 (ISSN:03873307)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.157-185, 2004-03-18

本稿は,独占禁止法上の企業結合規制における「有効な牽制力ある競争者」概念の再構成を目的とするものである.「有効な牽制力ある競争者」概念は,八幡・富士合併事件同意審決以来,実務上重要な問題であるとされながら,型どおりの批判が多く,理論的な分析が本格的になされることはあまりなかったように思われる.そこで,本稿は,「有効な牽制力ある競争者」概念について,立法史,判審決,経済理論および比較法という4つの観点から多角的に理論的研究を試みようとする.そもそも,競い合いは一人でできるものではなく,競争者がいてはじめて行われるものである以上,競争者の存在とその行動様式に関する評価は,競争効果分析において本来無視できないはずである.問題は,いかなる基本的考え方の下に,いかなる要件を立てて,どのように評価するか,であると考えられる.本稿は,独禁法の素人が抱くであろうこのような素朴な疑問に立ち返って,「有効な牽制力ある競争者」の概念に関して上記4つの視点から総合的に法学的検討を行うものである.

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こんな論文どうですか? 企業結合の違法性判断における「有効な牽制力のある競争者」の位置づけ : 独禁法の一大議論の一断面(<特集>日本経済と産業組織)(林 秀弥),2004 http://t.co/G0QmToKt55

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