著者
廣瀬 陽子
出版者
東京大学
雑誌
社會科學研究 (ISSN:03873307)
巻号頁・発行日
vol.55, no.5, pp.131-165, 2004-03-19

旧ソ連のコーカサス地方に位置するアゼルバイジャンのナゴルノ・カラバフ自治州は,ペレストロイカ期にアルメニアヘの移管運動を開始し,やがてそれは平和的運動から,民族虐殺,民族浄化へと発展し,ソ連の内戦となった.ソ連およびアゼルバイジャン,アルメニアの各共産党は求心力を喪失し,権力が乱立したことから,紛争の収拾がなされないままにソ連は崩壊し,紛争は国際化し,戦争の規模が拡大した.以後,OSCEなど国際的主体が和平に乗り出し,結局,ロシアの主導により停戦に至ったものの,ナゴルノ・カラバフ軍がアゼルバイジャンの国土の20%を占領し続けており,「凍結した紛争」もしくは「戦争でも平和でもない状態」のままで和平プロセスは停滞している.バルト三国以外の旧ソ連ではロシアの影響力が依然として強く,また非民主的な政治体制が継続していることから,国際組織などによる予防外交なども機能しにくい.ロシアの位置は冷戦前後であまり変わっておらず,今後の当地の和平の鍵もロシアが握っているといえる.

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こんな論文どうですか? ナゴルノ・カラバフ紛争の位相 : 冷戦終結の影響と和平の模索を中心に(<特集>冷戦終結と内戦)(廣瀬 陽子),2004 https://t.co/vHZwGsFXBE

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編集者: ネコバット
2008-12-18 12:43:09 の編集で削除されたか、リンク先が変更された可能性があります。

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