著者
安保 寛明
出版者
岩手県立大学
雑誌
岩手県立大学看護学部紀要 (ISSN:13449745)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.135-143, 2004-03
被引用文献数
2

近年,わが国でも精神障害者に村する治療的介入の評価指標として生活の質 (Quality of Life: QOL) が注目されている.本論文は,本邦におけるQOL介入研究の傾向を概観すると共に,地域に暮らす精神障害者のQOL向上を評価対象とした海外の研究動向を概観し,QOLに対する介入研究の一助となる事を目的とするものである.精神障害者に対する地域での支援体制は国によって大きな違いがあるため,系統的レビューではなく介入方法などにより研究結果を分類し俯瞰した.結果,地域に暮らす精神障害者のQOLの向上には,支援サービスへの満足度と生活への不安 (陰性症状と関連) が強く影響することが示唆された.また,生活技能訓練などの心理社会的支援が精神障害者のQOL向上に寄与することが示唆された.一方で, QOLの向上は必ずしも再入院の抑止には関連しかいことも示唆された.今後は,地域に暮らす精神障害者支援のアウトカム尺度として再入院率とQOLを重視し,サービス満足度や不安とともに調査することが望ましいと考えられる.

言及状況

Twitter (1 users, 1 posts, 0 favorites)

ちなみに、その論文はこれ。陽性症状の程度はQOLと関係ないよ、という主旨。だから症状にばかり注目するんじゃなくて、満足してもらえる支援をしましょう、という内容 → 地域に暮らす精神障害者のQOLとその関連要因 / http://t.co/8pkqfSqw6C 

収集済み URL リスト