著者
古谷 勝則 油井 正昭 赤坂 信 多田 充 大畑 崇
出版者
千葉大学
雑誌
千葉大学園芸学部学術報告 (ISSN:00693227)
巻号頁・発行日
vol.55, pp.21-41, 2001-03-31
被引用文献数
2

環境庁は1974年から一部の国立公園でマイカー規制を行っている.既に20年以上が経過しており,実施当初とは社会条件が変化し利用の多様化が進んでおり,マイカー規制の効果,問題点の改善を検討し,より良い制度を構築する必要がある.そこで本研究は日光国立公園尾瀬地区で実施されているマイカー規制を対象に,マイカー規制とその情報提供に関する現状を把握するとともに,問題点を明らかにし,今後の方向性を考察することを目的とした.研究の方法は文献・資料調査,関係機関へのヒアリング,マイカー利用者に対するアンケートを行った.これらの結果,次の知見を得た.(1)自動車利用者の集中は特定の時期の土,日,祭日に発生し,道路渋滯などの利用環境の悪化や,排気ガスなどの自然環境の悪化を引き起こしている.(2)マイカー規制の利用者への周知が不十分である.(3)道路渋滞,駐車場不足による不法駐車の改善に効果が見られるものの利用時期の分散には大きな効果は果たしていない.(4)公園管理者,利用者,地域の3者の協力の元で,利用者を平日利用へ分散させることが重要である.(5)平日利用分散の方策には駐車場料金,代替交通料金を土,日,祭日と平日で格差をつける.(6)公園管理者は,利用者と地域へのマイカー規制の情報提供を徹底するシステムを構築する必要がある.

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