- 著者
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圓田 浩二
- 出版者
- 沖縄大学
- 雑誌
- 沖縄大学人文学部紀要 (ISSN:13458523)
- 巻号頁・発行日
- vol.5, pp.55-64, 2004-03-31
本稿は近年増えつつあるとされる男性の摂食障害に焦点を当て、「なぜ男性が摂食障害になるのか?」、「男性の摂食障害は女性の摂食障害と比較してどう違うのか?」という問いに答えるべく、社会学的見地から男性における摂食障害の原因について考察を深めている。具体的には、文献資料とインタビューデータを用いて、男性摂食障害者の発症モデルを構築する。この作業によって四つのモデルは構築された。(1)ボディ・イメージ型、(2)食事不安型、(3)ジェンダー・アイデンティティ型、(4)環境不適応型である。結論として、ジェンダー・アイデンティティ型を除くと、三つのモデルに男性らしさや男性的価値観が影響していることがうかがえる。それらはさらに二つのタイプに分類できる。一つは見た目に関わるボディ・イメージ型と、もう一つは常に成功者や勝利者でなければならず、失敗を恐れ、それが他人に知られることを極度に恐れる食事不安型と環境不適応型がある。