著者
浅田 正雄
出版者
関西大学
雑誌
關西大學經済論集 (ISSN:04497554)
巻号頁・発行日
vol.55, no.1, pp.113-132, 2005-06-15

戦後の日本経済・産業の急成長は大きな謎であった。この要因としては、欧米では、通産省と企業とが一体となる官民協調体制、いわゆる「日本株式会社」によって成し遂げられたものであると批判された。OECDが70年代はじめに、その要因として日本の産業政策に注目し始めて以来、欧米では日増しに産業政策への関心が高まり、わが国以上に実証的・理論的研究が大きく進んだ。ところが、戦後我が国の高度経済成長に果たした通産省の産業政策の評価について、最近、三輪・マークライザーの両氏による『産業政策論の誤解』なる書物が発表された。本稿では、彼らの通説に対する徹底した産業政策論批判論を題材としながら、従来から行われてきた産業政策論の再検討と議論の整理を行うこと主目的にする。そして、産業政策の定義・政策手段に焦点を合わせて、従来からの議論をレビューし産業政策の有効性を検討した。その結果、三輪・ラムザイヤーの彼らの言う通説に対する批判や主張は、一部正しいが、問題があることも判明した。

言及状況

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"通産省の保護育成施策のおかげで、徐々にそして大きく実力をつけつっあったので、政策当局の施策方針に変化が見られたというのが常識""産業政策が極めて有効に機能したのは1950年代" →なるほど

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