著者
野崎 香樹 村本 智香 高村 武二郎 深井 誠一
出版者
園芸学会
雑誌
園芸学研究 (ISSN:13472658)
巻号頁・発行日
vol.5, no.2, pp.123-128, 2006-06-15
被引用文献数
1 6

アプリコット色花系および覆輪花スプレーギクにおける花色が作期または栽培温度により変化する様相を明らかにするため,各作期または各温度下で開花した花色を測定し,舌状花のアントシアニンおよびカロテノイド量を測定した.アプリコット色花系品種では6/30作期または30℃処理区で黄色味の花色を呈し,a値が減少し,bおよびh値が増加した.覆輪花品種は,高温下で赤色部位が淡色化または消失し,作期または温度間で覆輪割合が変動した.覆輪の発現には(1)高温下で赤色部位が減退することで花弁先端に白色部位が出現する品種(2)涼温下で赤色部位が増加することで明瞭な覆輪が出現する品種の2つのパターンが見られた.いずれの品種においても赤色花キクの主要花色素であるCy3-6"-MMGおよびCy3-3",6"-DMGが主要アントシアニンとしてHPLCにより検出された.また,多くの品種ではカロテノイド量は温度による影響は少なく,2つの主要アントシアニンの増減によってアプリコット色花系品種の花色および覆輪花系品種の覆輪割合の変動が生じるものと考えられた.

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