- 著者
-
野崎 香樹
深井 誠一
高村 武二郎
- 出版者
- 園芸学会
- 雑誌
- 園芸学研究 (ISSN:13472658)
- 巻号頁・発行日
- vol.4, no.2, pp.197-201, 2005-06-15
- 参考文献数
- 15
- 被引用文献数
-
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ピンク色花系スプレーギクにおける花色と栽培時期との関係を明らかにするために, 各作期に開花した花序の様相と花色を評価し, 舌状花のアントシアニン量を測定することでアントシアニンがピンク色花系スプレーギクの花色に及ぼす影響を検討した. 2001~2002年, 2003年共に高温期の6/30作期で秋ギク型品種の到花日数が増加した. 花序径は夏秋ギク, 秋ギクを問わず, 6/30作期で減少し, 舌状花数は増加傾向を示した. 色差計により求めた白色花系品種と黄色花系品種におけるL<sup>*</sup>a<sup>*b</sup>*の値は, 作期間で差異が生じたものの, 肉眼による観察では作期間で花色の変化はほとんど無かった. 一方, ‘チャトー’を除くピンク色花系品種では9/24作期でL<sup>*</sup>値, b<sup>*</sup>値が小さく, a<sup>*</sup>値, c<sup>*</sup>値が著しく大きくなった. また, 高温期の6/30作期では9/24作期の値と逆の傾向を示し, 肉眼による観察においても作期間で大きく花色が変化した. ‘チャトー’では他のピンク色花系品種と同様な傾向を示したが, 作期間における各値の差異は小さかった. ピンク色花系品種では赤色花キクの主要花色素であるCy3-6”-MMGおよびCy3-3”, 6”-DMGが主要アントシアニンとしてHPLCにより検出された. また, 作期間でアントシアニンの構成に変化は無く, これら2つの主要花色素の増減によってピンク色花の花色を決定することが示された.