著者
山田 哲也
出版者
一般社団法人日本教育学会
雑誌
教育學研究 (ISSN:03873161)
巻号頁・発行日
vol.73, no.4, pp.403-419, 2006-12-29

学校教育の社会化機能が格差是正に資する可能性を検討するために、本論文では、質問紙調査データを用いて互恵的関係の規定要因を分析した。家族的背景に関わらず、学校生活に適応し良好な友人関係を有する者、学校知識に意義を感じる者ほど共感・互助志向が高く、格差増大に歯止めをかける意識・態度がみられた。他方で、学年段階が上がるほど、「勉強が得意」と考える者ほど共感・互助志向が低く、共感・互助志向と密接に関連する努力主義には、格差化を追認する側面が認められた。分析結果は、学校教育による格差是正の試みが楽観論と悲観論のいずれにも展開する可能性を示唆している。悲観的なシナリオを避けるためには、子ども・若者が所属する場を学校以外にも用意すること、学校知識の意味づけを能力の共同性を強調するものに組み替えることが肝要である。これらを踏まえ互恵的な関係を学校教育で育成することは、格差の拡大を抑止する手助けとなるだろう。

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(執筆中原稿用文献)山田哲也、2006、「学校教育は互恵的な社会関係を生み出すのか? : 教育の社会化機能にみる「格差」是正の可能性」『教育学研究』73(4)(pdf)http://t.co/ALzQURNbQg

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