著者
北山 修
出版者
九州大学
雑誌
九州大学心理学研究 (ISSN:13453904)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.1-9, 2000-03-10

フロイトの報告したドラ症例は,彼の本格的症例報告としては最初のもので,精神分析を学ぶ者たちにとっては教科書的存在であった。しかし,最近では精神分析研究者からの批判の対象になっており,とくにP.Mahonyの詳細で質の高い研究は,この小論の著者である私にこれを書かせることになった。その前半では,病歴を要約し,本症例のフロイトの理解と取り扱いでこれまで注意深く批判されている諸点を紹介しているが,そこには母親についての無視の意味や,父親やK氏との共謀的な同盟関係についてフロイト自身が気づいていないことなどが含まれている。後半では,患者の言い回しの曖昧さや比喩的構造について,治療者が言語学的に理解し活用することが,その批判点にもかかわらず,本症例からもっとも学ぶべきところのひとつであり,それはヒステリーや心身症を患う神経症患者の精神医学病理を把握するために役立つものであることを論じている。

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この件、フロイトの精神分析中最大の失敗兼胸糞案件やで 最初知った時結構衝撃だった https://t.co/md4YGhQzEr

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